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2010.09.18

リドル・ロマンス 迷宮浪漫

文字色『リドル・ロマンス 迷宮浪漫』
リドル・ロマンス 迷宮浪漫リドル・ロマンス 迷宮浪漫
(2003/03/05)
西澤 保彦

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長身痩躯、微かに緑色の光沢を持つ黒髪を背中まで伸ばした"ハーレクイン"。
彫りの深い顔立ちで国籍不明な美しい顔立ちの男である。
高層ビルの夜景を背に"なんでも願いをかなえてくれる"という噂の彼の元に様々な悩みを持った
依頼人達が訪れる。何でも願いを叶えてくれるという、まるで魔法のような事であるが、果たして・・?

トランス・ウーマン
結婚式の日に花婿を奪われた女性、もしそのまま花婿と結婚できていたら自分の人生は今頃どうなっていたのか?

イリュージョン・レィディ
妄想と現実が区別できなくなった女性。彼女は果たして本当に夫を殺してしまうのか?否、殺してしまったのか? 

マテリアル・ガールタレントを辞め、結婚生活を送る中どんどん太ってしまった。
夫に捨てられない為にも痩せたいのだが・・

イマジナリィ・ブライド記憶喪失になってしまった女性。
そして自分の傍には「愛し合っている」と主張する女性がいた。

アモルファス・ドーター
同級生がクラスで苛めに遭い、挙句に暴行で殺されてしまった。何とかその彼を生き返らせてほしいと頼む。

クロッシング・ミストレス「あの時、もし自分が別の道を選んでいたとしたら」という「道」を見せて欲しいと以来する。

スーサイダー・シスター自分の元に転がり込んできた美形の妹。
彼女は何度も自殺未遂を繰り返しているのだが、姉は何故だか検討がつかない。

アクト・オブ・ウーマン昔同級生だった息子が突然自分の前に現れ
自分の身の回りを世話するようになったのだが、何故なのか?

連作短編集、ですね。
とあるビルの一室に佇む"ハーレクイン"の元に次々と依頼者が舞い込んでくる。
上記の内容からも判るとおり「魔法」を使いなどしないと到底叶えられるものではない、
という依頼が多い。
とても謎めいた"ハーレクイン"と謎めいた"依頼"が連なって、とてもミステリアスな雰囲気に
満たされている今作。
西澤氏の新キャラクター登場ですね、"ハーレクイン"。
美形とはまた珍しいな・・・とういう感じ。
西澤氏の作品には美形女性は多いものの、美形男性は少ない気がしていたので。

感想としては「西澤氏らしいな」という内容。
人の心とは危うくていい加減、そして何とも"自分勝手"なものか・・・と思いました。
"ハーレクイン"のミステリアスさはちょっと超能力か?と思わせる所があるものの、
今回の「西澤氏らしいさ」は人の心理を彼らしく描き出しているという所ですね。
各々の依頼し隠された"真相"には驚きましたが、このどんでん返しっぷりが西澤ワールド!
設定は非現実的でも、依頼内容と依頼者の心理に関してはとてもリアルに感じました。

クロッシング・ミストレス
「あの時、もし自分が別の道を選んでいたとしたら」
という思いは誰しも一度は考えた事があるのではないか、と思いました。
連作全体的な印象としては・・正直、あまり後味の良いものではありませんでした、かな






以下はネタバレ





印象に残った話。

最初のトランス・ウーマンは「そっちかー」と驚きましたね(爆)
結婚式当日に花婿を奪われてしまい、同じくその花婿を奪ったという花嫁の花婿と一緒になった・・・(ややこしいな)
同じ日に二組のカップルが結婚式を挙げ、片方は花婿が、そして片方は花嫁が手を取り合って去ってしまうとは・・・ドラマでも中々無い設定。
結婚式に突如元彼が飛び込んで花嫁が去っていく、といいうのはお決まりですけど(苦笑)
しかし去られたほうは堪らないでしょうなぁ・・
可哀相に・・と思っていたらなんとだった!!
依頼者が花婿を奪って逃げていたとはー!!
そして今になって駆け落ちした相手より、置いてきた花婿男性の方が良かったんじゃないかと未練を零す。
今更そんな事言ったって・・都合良過ぎるだろーが!自分から勝手な意思で去ったのならその責任ぐらい持てよ、っていう話。
"自分勝手"な女でしたね、実に。

実に嫌な印象だったのはアモルファス・ドーター
でもこの真相は(久々に;)途中から判ってしまいますね。
まるで他人事のようにイジメの顛末を話しておきながら、実は全ての元凶は依頼者自身だった。
密かに想いを寄せる女子に陰湿な嫌がらせをし、
その相談を自分ではなく他の男子に相談したからと言って今度はその男子を苛めの対象にするなんて・・・陰険で傲慢、性悪ですよ。
確かに一生気に病んで欲しい程の罪だったと言えましょう。許されるものではないですけどね。

他にもあるのですが、やはり西澤ワールド満載で中々暗い気分になりました(苦笑)
"ハーレクイーン"も一体全体何者なのか明かされませんが、特に彼が主張してきたりしないので気になりませんでした。
彼は別に魔法を使う訳でもなく、何となく「背中を押す」役割のようですね。
ただ、どの依頼者も同じ印象を受けているのは判るのですが示し合わせたかのように「同じ形容」しているのは
一寸気になりましたね。
同じような印象でも人によって「喩え方」や「形容言葉」は違うものなのだから、その辺のバリエーションはもっと出すべきだったのではないでしょうか・・・
と、まぁ言ってみます
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Posted at 21:06 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
2010.08.29

神のロジック・人間のマジック

『神のロジック・人間のマジック』
久々に西澤保彦氏ノンシリーズを読了。

神のロジック・人間のマジック (本格ミステリ・マスターズ)神のロジック・人間のマジック (本格ミステリ・マスターズ)
(2003/05)
西澤 保彦

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小学生である僕が連れてこられたのは他同年代の男女が居るある"学校"だった。
班分けしてミーティングや課題等をこなして
ある程度馴染んできた僕はふと、自分がいつどうやってこの場所に来たのか不思議に思う。
自分の他5人の生徒と二人の先生、調理を作ってくれる人以外の人間は居ない。
学校周辺にはガソリンスタンドがある位であとは荒野。
電話等通信機能は先生のみが所持しており、生徒は一切外部との連絡は取れないし、テレビは置いてあるが、それはビデオを観るときに使用されるのみで
ニュースや情報は見る事が出来ない。

果たして此処はどこなのか?
自分と他の人達は何故此処に連れてこられたのか?
何の為の"学校"なのか?

ある日ふと浮かんだ疑問はその後消えることはなく、むしろ深く根付いていった。
僕と他生徒は段々この学校への不審感を募らせ、この学校の"秘密"に迫っていく-----。

またもやSF的ストーリーで読者を困惑と推理の地へ引っ張り込む西澤ワールドですね(苦笑)
謎の施設や謎の人々・・・そして最後に明かされる真相、それは本当に驚愕でした。
さぞかし陰謀めいた驚きの真相があると思ってはいたのですが、「そうきたか~」って感じです。
思い返すと"確かな複線"は多数存在しているのに自分は全然気づかなかった;強引な設定も無く、キレイに騙されたという感想ですね。
相変わらず凄いラストを考える作家さんだなー。
印象に残るのはやはり"人の怖さ"でしょうか。
これは色々な"怖さ"を含んでおります。
思い込みって怖い・・・自分が今ある"存在"というものの危うさを考えさせられる作品でした。









以下はネタバレ。








今回もまた舞台は日本ではありませんでしたね。
主人公は日本人のようでしたが、学校の場所はアメリカ・・・?だったっけ・・・まぁ、とりあえず日本ではない、と(曖昧過ぎる)

今回も驚かせてくれました、西澤氏!!
まさか年齢錯誤モノとは・・・学校もその為の施設であり、生徒と呼ばれていた男女は実験被験者だったわけですね。

それにしても、自分たちは小学生だと思い込み実は70歳以上の老人だったという真相は読めなかった!

与えられる食事がいつも味の薄い、離乳食のようだとぼやいていたのが大きな伏線だったのに
単なる「作る人間の傾向」だけだと思っていたのだから読みきれない人間でした
周囲の暗示や思い込みでこんな年齢錯誤が起こるなんて・・・大いに有り得そうで"怖い"ですね。
所詮自分の存在というものは脳の認識と周囲の反応によって構成されているものだから
こういう事もあり得るのだろう、と・・・マジ怖いです
「この施設で一番お金がかかったのはテレビ等の備品」と言った様な事を聞くのですが、これも至極納得!!
確かに数十年前の電化製品や用具を揃えるには大変な手間とお金が掛かる・・・!聞いた当初は謎の言葉だったのに、改めて聞くと感嘆です。

生徒(とりあえずこの呼び名で)達も真相を知らない時は色々な推理を展開していた。
ヴァーチャル世界説や前世の記憶説などを披露する場面はタック&タカチシリーズを彷彿させますね。
色々な考えや、突拍子も無い推理でも一つ一つ吟味していくのも似ています。
そんな不審感の中に起こるのは連続殺人事件。
何とも恐ろしい事件でしたが、何より後味が悪いですね・・・生徒達が何とも哀れで・・生き残った彼らの行く末はもう絶望、しかないのだろうな。

Posted at 21:58 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
2010.07.04

異邦人

『異邦人』
異邦人 fusion (集英社文庫)異邦人 fusion (集英社文庫)
(2005/01/20)
西澤 保彦

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23年前、父永広啓介は殺された------
事件は迷宮入りのまま月日は流れ、姉の元へ帰省する事になった彰二は空港で奇妙な感覚に陥った---。鏡に映った
自分の姿に微かな懐かしみを覚えたのだった。何故今更そんな感覚にならなければいけないのか・・?
SF西澤氏タイムトラベル作品。
SFでは王道なのに今まで西澤氏作品では初!でした。盲点でしたな(笑)
今回は察せられる通り、父が殺された日へとタイムスリップしてしまう物語。タイムスリップした年代にはまだ父が存命している。事件の起こった日を思い起こせば父は数日後に殺されてしまう運命にあった。
彰二は父を助けることが出来るのか?
迷宮入りとなる犯人と事件の背景は?
いやぁ、好きですねこういうの(爆)
何とかして父を救って欲しい!!けど、そこは西澤氏なのであえて残酷な
事態を用意しているのではないか、と二択の結末を考えながら読みました。
殺人事件だけでなく他にも重要な要素を含んだ作品でありますね。
同性愛者や家族間に漂う一種のわだかまりやら・・・西澤節濃い目です(苦笑)






以下はネタバレ。







どうやら永広家は一寸訳あり一家のようですね。一番強く取り上げられたのは
やはり「姉の同性愛」でしょう。
姉が同性愛者だと判り、家族に溝が出来始めた。しかしその矢先、同性愛に反発したままの父が殺され、事件は迷宮入りに。
やむを得ず姉は実家に戻って意に反した結婚、生活を送る事となった---。
もし父が殺されなければ、姉は今でも
家を出たきり消息もわからず仕舞いだっただろう。
そんな姉に肉親以上の感情を持っていた彰二も中々難儀です(爆)西澤氏の事だから別に驚きも意外性もない人物像だけど・・・
しかし読み終わってみると「良かったねぇ」と息がつける話でした。
父を殺した犯人は途中で気付いてしまったけれど、何とか乗り越えて父は生き延びることが出来た。ふぅ~よかったぁ~
結構ハラハラしましたね。
その結果として重要な役割をしてくれた
姉の恋人に感謝
どうやら彼女が主な"探偵役"だったようだけど、現実味はない人物像でした
このあたりで同じ著者列の森奈津子シリーズを思い出す・・・。
読んでいる方は判るでしょうけども、
ここで調べた知識をこの『異邦人』でも
使ったのかな?あ、でもどっちが先に発刊したか調べてないや;
西澤氏はこういうテイストが好きなのだろうか?ちょっと考えた(爆)

最期、家族が皆まるく納まって安心しました!途中はハラハラしっぱなし・・
タイムトラベルを色々吟味している作品でもあるので、その設定も
事件と結び付けていたのが良かったのではないでしょうか。
Posted at 21:59 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
2010.06.13

黒の貴婦人

西澤保彦氏タック&タカチシリーズ『黒の貴婦人』短編集です。
黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)
(2005/10)
西澤 保彦

商品詳細を見る


招かざる死者」…
嫌々ながらも友達自宅飲み会にやってきたタカチ&ウサコ。友達の顔を立てる為にやってきたのだが、主催者である男の厚かましさに辟易しきり。
そろそろタカチが爆発するのではないかという所で突如殺人事件発生!
玄関を開けると突然死体が倒れこんできた。一体彼女は何故、誰に殺されてしまったのか?

黒の貴婦人」…
いつものメンバー<タック・タカチ・ウサコ>を呼び出したボアン先輩は
「犯人はこの中にいる!」とビールを突き出した。どうやらボアン先輩は自分(達)が飲みに行く先々で必ず白い帽子をかぶった「貴婦人」が現れるのだそうだ。
その店絶品の鯖寿司を平らげ、早くに店を出て行く貴婦人は一体何者なのか?
彼女の目的は何なのか。
スプリット・イメージ または避暑地の出来心」…
お嬢様学生達が辺鄙な山荘で夏休み泊りがけの旅行へと繰り出した。
だが、旅行に向かう女性全員が「料理が出来ない」人物ばかり。そこでウサコ系列(?)を持った友人一人が料理係としてタックを紹介される。
多少の"予想外"事態が起こりつつも、山荘へたどり着いた一堂はその日なんとか就寝・・・。
しかし、次の日山荘の外で男性の死体が発見される。
ジャケットの地図」…死んだ愛人が残したジャケットにはある"暗号"が秘められていると知る。彼が何を遺したのか気懸かりで、そのジャケットを取り戻すべく愛人が奔走する。
夜空の向こう側」…披露宴会場で御祝儀袋の中からお金が盗られてしまう事件が起こった。ウサコとボアン先輩が呑みに出てきた話である。
ご祝儀を盗んだのは誰か、そしてその目的を二人が推理する。
最後は少しだけ二人から見るタック&タカチ観が出て「なるほどねぇ。」としみじみする場面もあった。





以下はネタバレ注意。





招かざる死者
またも出た「唯我独尊的人物」。
今回は男ですが相変わらず西澤氏節炸裂です(笑)
タカチの美貌に吸い寄せられ、脈アリと思い込む「勘違い野郎」です。
自分としてはタカチが爆発して欲しかったなぁ・・ボコボコにしたれ、みたいに(苦笑)。でも殺人事件が起こってしまったのでお流れ。何と被害者は同じ飲み会に来るはずだった女子学生なのだから大変ですね。
近所に住む老人が最有力容疑者だったのですが、犯人は死体発見者でもある「勘違い野郎」でした。
トリックの構成は納得出来たにしろ、動機と公安の存在が強引過ぎる。
いくら軽薄な時代とは言えこんな動機と勢い殺されてはたまったものではない。
まぁ全否定出来ない事も悲しい所ではあるが・・。
黒の貴婦人
正体は何とタカチ!!お前かー!!
タックを救うのは自分でありたいと切望するあまり、常連である飲み屋へと通い続ける・・・確かに妄執だ。
一瞬愛ともとれるかなー・・とは思いましたが"自己満足"に近い感情が大きいので、やはり妄執かな、と^^;)
でもまぁタックに対する愛が無いと言えば・・あるんじゃないかな、と微妙なココロ。彼女の妄執、叶うといいねー。
ジャケットの地図
愛人だけれど肉体関係がない、という所がミソですね。そこで好感度が違うかな(爆)。
童心に戻って玩具を蒐集したり作り出した所も良いですね。何だかほんわかする心情だと思いました。愛人も・・・正直「よくやったなー」と思う。自分だったら演技してまでクリーニング店まで問い合わせない。その手前で止めてしまうかなー。
でも「自分を忘れて欲しい」「自分を忘れて欲しくない」反対の気持ちが同居する、という所はよく判ります。何だか切ない心ですな。しみじみしました。
夜空の向こう側
これは本当におまけな事件、という印象。
ボアン先輩とウサコ視点の、タック&タカチが書きたかった---そんな印象の方が強くて事件にはあまり思い入れが無いです(酷)まぁ、でも教師たるもの品方公正とまで言わないが、生徒の見本になれるよう精進しなければいけませんね、という事だろうか(曖昧)。


Posted at 21:04 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
2010.05.30

依存

依存 (幻冬舎文庫)依存 (幻冬舎文庫)
(2003/10)
西澤 保彦

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タック&タカチシリーズ第六弾。
(短編集『解体諸因』含めなので)

今回は「タックの過去」をメインとした長編です。ミステリー・・・ではありますが、あまりミステリー色は濃くなっておらず、
人間関係や様々な人間環境(?)を綴った話に感じました。
この話は所々で示唆されているように、タック&タカチシリーズをある程度読んでいないと判らない部分があると思います。
それというのも人間関係ですね。
タック&タカチからボアン先輩、そして今回初!語り手であるウサコの関係やこれまで遭遇してきた事件を読んでおいたほうがより"彼らの免疫"が出来るかと(苦笑)。
何より今回『依存』は主格タックこと匠千焼の過去暴露(爆)話であるから、タックの人間性を読んでおかないと「へぇ」で終わる。
シリーズを読み進めている人だと「へぇ」の後に「そうだったのか、タック」とつく(爆)。
自分はシリーズ順に読んでいたので問題なく進んだ。勿論色々驚く部分もあるし、面白・・・・くもあったな、うん。

タックらレギュラー陣四人の他にプラス2人程安槻大学生が増えていて「誰?」と思ったが大した問題ではなかったので良しとしよう。ある程度文中で説明もされている事だし・・・。
しかし、このメンバー増加に伴って違和感沸いたのがやたらと「タカチは女性に好まれる」という事。
長身の美人で独特の雰囲気を持つ彼女は、確かに目立つ存在だし一種の"憧憬"を集める人物だろう、とは思うがちょっとなぁ・・・もうちょっと"女友達"っぽい人物に出来ないものか;
友達同士として"対等"というか・・ふざけあって笑うとか・・・どうも"そっち系"のタカチ信者女ばかりで辟易してしまう。そんな女たちしか近寄って来ないのなら、タカチはそれだけでも結構不幸だと思う・・

そんな一人(?)のウサコが語り口ではあるが、今までメンバー内可愛がられキャラで通ってきた彼女がどんな考え・見方をしてきたのか判る話だった。
彼女も彼女なりに色々考えてきたんだろうなぁ・・・としみじみ感じ入るし、他メンバーの事について冷静に観察している部分なんかは彼女でなくては語れないだろう、とも思った。
ウサコ視点で語られるタック話ではあるが、平行して別の話も展開される構成。
この構成方法は自分にとってとても面白かった。
にしても、タックの話は色々驚かされましたね。今後どうなるのか・・・。







以下はネタバレです。






さぁ『依存』で明らかにされたのはタックの家庭環境。
最初双子の兄がいるけれど殺された-----殺したのが実の母親というのは豪く事件色濃そうだな、と感じたけれど・・・。

母親は幼い頃から「家族」によって虐待を受け、それが心傷となり「セックス依存症」となり、我が子に異常な執着心を持つ女へと成長した-----
その我が子こそ、タック。
双子の兄とはタックが創り上げたもう一人の自分であったのだから・・濃いって。

虐待された人間は将来自分の子供も虐待してしまうという悪循環は知っていたけれど-----どうすりゃいいんだ、という話ですね。
どちらも被害者な訳だから一概に責められないし・・やはり専門医の治療に縋るしかないのかなぁ・・。
実情はどうなのか、当事者になってみないと判らないのでしょうがやはり子供が可哀相ですね。哀れ過ぎる。
この親に当たってしまった不運を嘆くしかない------勿論立ち直ったり周りの環境で虐待のトラウマから回復出来たという事もあるでしょう。
しかし、「実の親」とはいつまでたっても離れがたいもの-----辛いですね。

今回タックの件では・・タックもどうかと思いましたけどね(爆)
肉体関係持ってんじゃねーよ、って感じで。
そのときは実の母親だと知らなかった訳だけど、思いっきり誘惑されてるし。
その後実の母親に騙されていてショックというのは判りますが、語り口からすると(母親だと知らなかった)女性の事を本気で愛していた、という訳でもなさそうですし。只の性欲だったんじゃないか、という思いが拭えません。
誘惑を断固拒否出来ない男達------情けない。
タックも然り教授も然り、です。
今作一番哀れなのは教授の奥さんですね。これに関しては母親を責めるべきではありません。教授が夫が悪い。
今の奥さんより断然綺麗で若いからってあっさり鞍替えする教授に冷めました。なにコイツあんま妻をなめんじゃねーぞ、って感じ。
ここまで出てくる男達は本当に女性の人格を無視しているようでならない。「女」「妻」「未亡人」という一つの括りにしていて、固有名詞を持っていないっていうか・・・持っているのは「美人」か「美人ではない」、「色気ある」「色気なし」等あくまで括り。
「女」と「未亡人」には手を出していいけど、「妻」には手を出しにくいかなという程度で女性の気持ちを全くと言って良いほど無視しているというか。もっと尊重すべき事柄があると思いました。

主要人物以外の人格形成はつくられているのですがね・・・。タカチとか。
にしても、今回のタカチは頼りになりましたなぁ!タックの心を見事に救ったよねぇ。
「私に手を出すのならそれなりの覚悟」(という風だったか?)も格好良かった☆
毒を持って毒を制す、ですかね(爆)
タックがごっつストレートにタカチへ告白したのも面食らったけれど、タカチが放つ最後の"毒"も驚く。
これはきっと相手に効いているでしょう!!
今作一番スッキリしたワンシーン
Posted at 20:52 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
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