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2010.08.22

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者

久しぶりでまだ二冊目の江戸川乱歩作品『江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者』読了。
江戸川乱歩の作品は有名で短編集にも色々あるため混合しそうですな

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)
(2004/07/14)
江戸川 乱歩

商品詳細を見る



二銭銅貨、一枚の切符、恐ろしき錯誤、二發人、双生児、
D坂の殺人事件、心理試験、黒手組、赤い部屋、日記帳、
算盤が恋を語る話、幽霊、盗難、白昼夢、指環、
夢遊病者の死、百面相役者、屋根裏の散歩者、一人二役、疑惑、
人間椅子、接吻



これだけあるのだから結構な分厚さです。
分厚さには慣れていますが、流石は江戸川氏とでも言いましょうか・・"濃い"もので
江戸川世界に不慣れな自分にとっては読むのに大変でありました(苦笑)
この作品集ではデビュー作である二銭銅貨も明智小五郎デビュー作D坂の殺人事件も収録されていました。
嬉しいには屋根裏の散歩者!有名ですからね、これは。
チラホラ聞く作品であるし、
思い出すのは有栖川氏作中で出てきてから。それ以来
読みたくて仕方なかった・・・それがついに登場!(爆)やっとだぜぃ。

正直其々の話が混ざりこんで記憶が曖昧です;読んだの少し前だから、という事もあるけど。
二銭銅貨は流石に覚えていますね。
暗号もの。
しかも時代を色濃く反映していながらも巧緻で本格的です(当たり前)
そして最後のどんでん返しも江戸川乱歩氏の痛烈さを感じてより一層印象を強くしますねぇ。

二發人も再読作品。・・・のハズ(おい)
井上氏は温泉場で知り合った斎藤氏に自分が長年苦しみ、膿んできた身の上話を打ち明ける。
自分は夢遊病者であり、夜な夜な町を徘徊したり、色々な場所から勝手に物を持ってきてしまったり・・・そして遂に殺人まで起こしてしまった。
しかし自分には全く自覚も記憶もないまま・・・しかし自分が目覚めた部屋では
殺人の痕跡が間違いなく残っていた。
彼の告白とラストの衝撃!!!
このラストは凄いです。「な、なんと・・・」と呟いてしまう程の驚き。見事だと思いました。
人間が持つ恐ろしさと狡さを思い知る・・!

赤い部屋という作品も有名らしいのですが
(江戸川乱歩ファン内で)自分は初めて知りました。
某所で開かれた秘密の会員制クラブ「赤い部屋」へ訪れたある男の告白。
彼は日々の生活に飽き飽きしていて、ある「楽しみ」を見出した。
それは「法律に触れない人殺し」彼が行ってきたその「楽しみ」とどんでん返しの結末。
冒頭から怪しげな会員制クラブで雰囲気も異質。
この男の告白は正直「どうなんだろう・・」と思うけれど、ラストでは驚き。
このオチは・・・うむむ。


D坂の殺人事件も二度目なので覚えています。
いわゆる密室トリックと共に人間の記憶についても興味深い記述をしています。
「ミステリでそれ言っちゃうかー」という突っ込みもあるけれど、
至極納得してしまう部分でもありますね。確かに人間の記憶なんて曖昧なものです。鋭い所をあえて"ここで使う"事に
流石だなぁ、と思いました。

そして初読、屋根裏の散歩者。なるほどぉ、こういう名作なのかと感嘆。
何とも怪しげでドロドロとした雰囲気を出している作品でしたね。これこそが"江戸川世界"というものなのでしょうか・・・?何だかゾッとしました。
ゾッとした、ときたら人間椅子も外せない作品ですね。きっと読んだ方大半の方は印象に残るのではないでしょうか。
正に言葉通りの「人間椅子」。発想が凄い・・・そして何とも鳥肌が立つような不気味さ・・思わず途中で「うわぁ」と呻きましたよ。(苦笑)

他様々な作品がありましたけど、結構な"どんでん返し振り"でしたね。
「え?そこで返すの?別に返さなくても良かったのに」という作品がチラホラ・・詳しくはネタバレしますが、
意外と言うか・・・一寸要らなかったというか(苦笑)
でもこれで結構・・・否、ちょっとだけ江戸川世界を知ることが出来たと思います。
全体の印象として「江戸川乱歩氏は痛烈な皮肉屋かな」というものでした(苦笑)。







以下はネタバレ。

上記作品全てネタバレとなっていますのでご注意下さい。
  (江戸川氏短編集は幾つかあり、色々な作品が入り混じってますから)







二銭銅貨は最後のどんでん返しも凄かったのですが、途中の点字暗号は(自分にとって)非常に奇抜で面白かった。
イロハで図解されている所で時代を感じましたが(爆)かなりしっかりとした暗号ですよね?多分;
結局空回りに終わった「お宝」探しでしたが、暗号の印象は強い。

心理試験
またも登場、名探偵明智小五郎!
これは老婆を殺した犯人視点と明智の心理試験ならぬ心理頭脳戦!?
二人の駆け引きが緊迫感を醸し出し面白かったです。
自分の頭脳と犯罪隠蔽に完全な自信を持つ犯人と名探偵の対決!!これは読み応えあるでしょう!!
自分にとってはここで明智探偵の明晰振りを感じ入りました。完璧と思われた犯罪をじりじりと追い詰めていく
明智探偵は非常に格好良かったですね。
これぞ名探偵!犯人の仮面が剥がれ落ちていく描写も巧かったー。

同じ系統で屋根裏の散歩者が挙げられますね。
これも犯人視点で進むミステリー。
何の恨みも無いが「やってみたい」という欲求のみで殺人を犯した男の話・・・
その方法は屋根裏からこっそり被害者の口へ毒を垂らすというものだった。
現代では到底不可能な「屋根裏散歩の果て」ですかね(爆)
夜な夜なアパートの屋根裏に忍び込み、
住民の秘密を覗き見る男がついに殺人まで犯してしまう様は異常な設定であるが妙な現実味を帯びている。
最初はほんの小さな好奇心・悪戯でも人間の欲求は果てしないもので小さな気持ちは高まり、遂には
取り返しのつかない事態にまで発展してしまう。
頭では判っているのにやめられない・・・そんな様は実に「人間社会」を
よく表していると思う。
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Posted at 19:53 | 江戸川乱歩 | COM(0) | TB(0) |
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