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2011.02.20

時鐘館の殺人

洋館の殺人事件が読みたくて、それっぽいタイトルを選んだのですが
短編集だったか・・・不覚!!
長編で謎や雰囲気をじっくり味わいたかったんですけどね・・まぁいいか。


時鐘(とけい)館の殺人 (中公文庫)時鐘(とけい)館の殺人 (中公文庫)
(1998/03)
今邑 彩

商品詳細を見る
何気なく手に取りました。初今邑彩氏『時鐘館の殺人』


さて、初めての作家さんなのでどういう作風か全くわかりません。
ミステリー作家さんでよいのでしょうか?
でも女性作家を敬遠しがちな人間なのでちょっと不安気味でした

短編作品を紹介ー

生ける屍の殺人
都会赤坂と軽井沢別荘地で、顔には大きなサングラスと厚化粧。
かなり大胆な白黒のデザインであるつばの広い帽子と
ワンピースを纏う不審な女が目撃された。

近年人気急上昇中のミステリー作家、和久龍一の別荘に婚約者がやってきた。
此処で作品作成中の筈なのだが、いくらインターフォンを押しても応答がない。
裏手に回ってみると、リビングのソファに一人の女性が腰かけていた。
白黒の派手なデザイン、つばの広い帽子とワンピースそして大きなサングラスの女。
此方を向いているが微動だにしない事にただならぬ雰囲気を感じ取った
婚約者は急いでガラスを割り、中に入った。
よく見てみると辺りに血が広がっており女性は息絶えている。
驚愕しながらも急いで和久を呼ぶが、彼の姿はない。
そして死体から続く血の跡を追ってみると、トイレに繋がっていた。
外からトイレを覗き込んでみると何と中には和久龍一が息絶えていた。
しかし、事件は警察が割り出した死亡推定時刻から驚くべきことが分かった。

黒白の反転
老姉妹が住む洋館にサークル仲間男女5人がやってきた。
ゲームや雑談など和やかな雰囲気の中過ごしていたのだが
安達かほると辻井由之が婚約を発表。
それを機に一気に険悪な雰囲気となり、一同はそのまま眠りについた。
そして次の日、安達かほるの他殺体が発見される。

隣の殺人
洗濯物を取り込んでいた辰巳敦子は隣の部屋から大きな声を聞く。
女の金切り声と男のボソボソとした声-----そしてそのあとドシンと大きな物音が聞こえた。
普段から一緒に食事をしたり何かと交流のある緒方夫妻の部屋だ。
只ならぬ物音に不安を感じた敦子はそれとなく隣を訪ねるが、
どうもその時に対応する緒方康久の態度がおかしい。
いつもと違い、敦子の訪問を疎んじているようであり、どこか挙動不審・・・
そして何よりも、あの大きな物音以後緒方有紀の姿を見なくなった。
客を装って緒方有紀の勤め先である宝石店に電話をしてみても
欠勤していると聞かされ、再び緒方家を訪れるも緒方康久は
「妻は風邪で臥せっている」と会わせてくれない。
緒方有紀は本当に風邪なのだろうか?


あの子はだあれ
実家の庭にある棗の木の下に現れる少女。
初めて現れたのは17年前---あの子の一周忌が行われた日の午後からだった。
私にしか見えないその少女はやはりあの子なのだろう。
不思議なことに、その子は現れるたびに成長している。
黄色い帽子にランドセルから紺色のリボンを結んだセーラー服中学生へ、
やがては高校生になっている。
彼女はいつも悲しそうな顔をしているが、彼女は何を訴えているのか。
やはり、私が彼女を死に追いやってしまった罪悪感故の幻なのか?


恋人よ
大学受験に失敗して二回、善郎は浪人生活二年目に突入していた。
東京に上京してワンルームマンションを借りた自分と
地元の短大に進んだ恋人のマキ。
度々留守番電話に彼女から連絡が入るものの、億劫で返事をしないままにしていた。
そしてある日、いつものように留守番電話を再生してみると
聞き覚えのない女性の声で意味深な伝言が残されていた。
自分に身に覚えのない伝言に放っておいた善郎だったが
段々その内容が狂気じみてくる------。


時鐘館の殺人
大手食品会社に勤めていた桜井徹男は定年後妻と二人暮らしをしていた。
彼には時計収集という趣味があり、家の中にはいつ鳴るのかわからない
"狂った"時計が幾つもある大きな屋敷。
妻の薦めがあり、何十もある部屋を下宿に解放することにした。
そこに住み始めたのが、作家、編集者、装丁屋や大学生など様々な人種である。
雪が降り続いたある日、その屋敷"時鐘館"で殺人事件が起こる。


各々が独立した短編集であり、関連性はありません。
ミステリー・・・ではありますが、少しホラーティストの印象。
世にも奇妙な物語のような話が多いですね。
一番読みたかった表題時鐘館の殺人は完璧ミステリー。
黒白の反転生ける屍の殺人もミステリーですが、
生ける屍の殺人は最後ホラーな感じ(?)
どこかで聞いたことのあるタイトルですね。(苦笑)
しっかりミステリーな流だったのに、オチで○○してしまうのは自分にとってガックリ
それなら最初からそっちの流にしてくれよ、という人間なので
時鐘館の殺人は希望として長編で読みたかったです。
洋館で起こる殺人事件、ミステリーの王道ですからね。

どれも最後に驚きが隠されていますが、隣の殺人のオチは読めたかなー








以下はネタバレ。












生ける屍の殺人
これはまた・・死亡推定時刻からのミステリーですね。
現場には被害者が二人。しかし加害者と考えられる人物の方と被害者の死亡時刻が合わない。
これは本当にミステリー。
そう見ると、派手な服装をした女の証言が圧倒的に怪しいのは当然(苦笑)
サングラスに厚化粧、つばの広い帽子なんて「顔を隠してます」と言っているようなものです。ミステリーでは(爆)
案の定、目撃された女は犯人による偽装なのですが・・・
やはり自分はオチが納得できませんねー。
なんでそこにホラーオチ持ってくるんだろう・・興ざめしてしまいました。
怖さを出したかったのでしょうか?かえって冷めてしまいます・・・残念だったなぁ。


黒白の反転
この話もミステリーで、ホラーオチではなかったですね。
でも、怖い。何がというと・・「人間の怖さ」を描いていましたね。
自分の欲と自尊心のためなら・・・という怖さ。
今後彼らがどうなるのか気になる話ではありました。
(内容に全然触れていないし)


時鐘館の殺人
一番期待していた作品ですが・・う~ん、どこか消化不良でした。
事件が起きて意外な探偵役が事件を解き明かすのだけれど、すぐにそれは間違いと分り
さらに語り手である人物が真犯人であった-----
それは全て小説家が雑誌に載せるための創作事件であり、最後小説家が切りつめられた
原稿を何とか載せたいためにとった苦肉の策であったという事がわかる。
語り手のせいでもあるかもしれないが(苦笑)どこか緊張感に欠ける話。
東川氏の作風とも感じられたが、その作風よりは緊張感を感じさせたいのか・・
どこか中途半端な印象となってしまった。


今回は短編だったけれど、今邑氏の長編作品はどうなのだろうか?



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Posted at 21:45 | 今邑彩 | COM(0) | TB(0) |
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