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2013.03.16

火天の城

山本兼一氏『火天の城』読了ー!

火天の城火天の城
(2004/06)
山本 兼一

商品詳細を見る


信長の夢は、天下一の棟梁父子に託された。
天に聳える五重の天主を建てよ!巨大な安土城築城を命じられた岡部又右衛門と
以俊は、無理難題を形にするため、前代未聞の大プロジェクトに挑む。長信の野望と大工の意地、情熱、創意工夫―すべてのみこんで完成した未會有の建造物の
真相に迫る松本清張賞受賞作。 (内容bookデータベースより)


謎に包まれている幻の名城、安土城!

その城を建てた男たちの一大スぺクタクル物語。
織田信長が建てた象徴的名城安土城は有名ですが、その建設を携わった人たちは
知らなかった!思えばそういう職人たちは偉業を残せど、名は残せずですよねー
・・城を造らせた人物が光を浴びるわけだし。
まぁ確かに城を造らせた人物たちも凄い人たちではありますが、うん。
安土城の棟梁となった岡部又右衛門。
ずっと織田信長に仕え、彼には今までにも様々な難題を押し付けられてきたが・・今回はまた群を超えた難題である。

天をも揺るがす城を造れ!

安土城の特徴としては天守閣の奇抜さ、中心吹き抜け構造などその時代にとって
奇抜で驚愕な構造に尽くされた安土城であるが、完成間もなく焼け落ち今は僅かな資料が残るのみとなった・・・
そんな安土城建造話を書き上げるとは・・山本氏、すごい!
さらにそんな話をこんなにも広大で、魂を揺さぶられるような感動を描き上げたのもまたすごい!
城を築きあげる上で様々な工夫・技術・葛藤・苦悩・・・そして職人精神!!
誰もかもが恰好良い親爺達です!!!
時代は安土桃山時代尚戦国時代でよく戦場へと走る男たちの話は聞きますが、
この「戦い」を描く人はあまり聞いたことが無い。
一つの城を築くのがこんなにも壮大で大変な事だと考えさせられました!
一言安土城が出来た、とか松本城が建てられた、等言いますが
この「出来た」「建てられた」までどんなに多くの人々が力を振り絞り
困難を乗り越え、職人技を駆使してきたのか・・・
特にこの時代はブルドーザーも電動ノコギリさえも存在しない。全てが手作業である。
頭では分かっていてもこう文字に記されるだけで並々ならぬ「力の結晶」を見せ
つけられる思いです!
文字にしてこの威力なので実際目の当りにしたら体が震えてしまいそう・・。
今この時代で大工や棟梁をしている方が読むとまた違った感想を抱かれるのかも
しれませんね。
感動するのはもちろん岡部又右衛門や他職人たちの心意気・技・完成した時の喜
びですが、自分が一番心に残っているワンシーンは、名匠でもあり周囲から名高
い岡部又右衛門棟梁が昔の建築物を下見(?)した際、建物の梁・柱一本見ただけで見事な職人技だと感銘を受け
この建物を建築した人物に敬意を捧げたこと。
岡部又右衛門は才能溢れ、棟梁としても名人な人物なれどいつまでも邁進し続ける姿は本当に恰好いい。
ミステリーではないのでネタバレはありません。
ただひたすら感動しました。
時折しか登場しませんが、岡部又右衛門主人であるかの有名な織田信長・・やはり彼は凄い人物だったんだろうなと思いました。
人を見る目というか、人物の力を最大限に発揮させる能力というか・・
こういうものを持っている人物こそが指導者・リーダーと呼ばれるべきなのでしょう。
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Posted at 21:41 | 山本兼一 | COM(0) | TB(0) |
2011.04.16

利休にたずねよ

初山本兼一氏作、直木賞受賞『利休にたずねよ』読了。

利休にたずねよ利休にたずねよ
(2008/10/25)
山本 兼一

商品詳細を見る



直木賞受賞作共に話題だったので読んでみました。

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内容紹介
飛び抜けた美的センスを持ち、刀の抜き身のごとき鋭さを感じさせる若者が恋に落ちた。
堺の魚屋の息子・千与四郎――。後に茶の湯を大成した男・千利休である。
女のものと思われる緑釉の香合を
肌身離さず持つ利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、
気に入られ、天下一の茶頭に昇り詰めていく。利休は一茶人にとどまらず、
秀吉の参謀としてその力を如何なく発揮。秀吉の天下取りを強力に後押しした。
しかし、その鋭さゆえに、やがて対立。
秀吉に嫌われ、切腹を命ぜられる。

本書は、利休好みの水指を見て、そのふくよかさに驚き、侘び茶人という
一般的解釈に疑問を感じた著者が、利休の研ぎ澄まされた感性、色艶のある世界を
生み出した背景に何があったのかに迫った長編歴史小説である。

著者の山本兼一氏は、直木賞候補になること2回。
いま最も勢いのある時代小説作家。気骨ある男を描いて定評がある山本氏の新境地。
ぜひご一読いただきたい。
内容(「BOOK」データベースより)

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紹介文を抜粋させて頂きました。
利休、すなわち"あの"千利休である。
自分の中で千利休とは日本で一番有名な茶人のおっちゃんでした。

それがもう・・・ビックリです。
こんなにも凄いおっちゃん・・・いえ、方だったとは。
ただの茶人、という事だけで有名な訳ではなかったんですね。
「とびぬけた美的センスの持ち主」-------
正に千利休を表す上で代名詞となる言葉です。

彼が生み出したとされる茶室--躙り口や僅か四畳程の部屋---いずれは二畳程になるが;
そこには彼の茶道への道、類稀なる美的センスと侘び寂びへの
極みがあったのですね。

壺 茶入れ 窯 色遣い、厚み、重み、曲線------
茶杓 柄杓 茶筅 角度、しなり、色、手触り-----
花入(掛花入   釣花入   置花入   双飾 )の大きさ、素材、花の色、季節

まだまだ色々なものがあり、風炉 釜・小板・水指など一つ一つが
利休の拘り厳選し、創作した"美"の極致たるものだった。
茶室建物自体から部屋の空間、茶道のしぐさと粋な計らいとお持て成し、
それら全てが千利休の手から成されるとまさに"極楽"の如く-----

文章で表すとなると難しいですね・・・
とにかく、もう"美"の一言!!
ここまで目が届くか!!ここまで目利なのか!!
千利休の美的感覚が研ぎ澄まされている事が痛いほど伝わってきます。
同じ"美"でも、煌びやかで輝くばかりの"美"とは違い
二回言ってしまいますが・・・侘び寂びの極致

日本の風情、粋、食事、しぐさ、空間、髄を凝らしたものばかりで
ただただ感嘆と驚きと、目に浮かんでくる情景にため息、です。
一部の乱れも隙も見せない利休の"美"は恐ろしい程です。

そしてそれを表した山本 兼一氏も凄い 

文章構成も凝っており、引き込まれます。
嘗ては蜜月とも呼ばれていた利休と豊臣秀吉。
しかし利休は秀吉の不興を買い、切腹を命じられる時から物語は始まる。
そして様々な人物の視点を介しながら、時代は遡っていき
最後に"謎"が解ける、という構成----
内容紹介にもある通り、これは一種の恋愛話ともとれる。
彼千利休が若かりし頃落ちた恋---
これが物語の髄となり利休とその周囲の人々の人生を象っていく。

自分としては"此処"が少し・・・という部分があるのですが
まぁそれはネタバレにて。

ともかく、千利休をよく知らない人は是非一読を!!
多分彼に対する目が変わると思います(自分だけ?)
茶道の奥深さを知った、という事もあるけれど
何より千利休の凄さと日本"粋"の奥深さの方に目を見張った作品です。
実に面白いですね。小説としても読み応えがありました。











以下はネタバレ。












利休切腹当日から段々視点が変わっていきましたけれど
あの利休が奥底でずっと大事にしてきた香合の謎、最後ですっきりして良かった。
「なんとなくこんなだろう」と感じてはいましたが
やはりエピソードそのまま語って頂けると助かります。
ハッとするほど美しい香合の中には女性の爪と骨の欠片----
それだけでもう「惚れていた女のものだろう」と察しがつきます。
利休には宗恩という妻がいましたが、それは二度目の妻。
なので最初は一度目の妻のものであるかと思いましたが
それは違っていたようですね。
そして「私が殺した女」と語られ、少しの驚きを感じます。
利休が若返っていくと共に様々な人物の視点で話が進む事も良かった。

妻宗恩、秀吉、石田光成、武野紹鴎 などなどですね。
彼らから見た利休も読んでいくと面白いのですが、やはり共通するのは
「恐ろしいまでの美的感覚を持つ男」という点でしょうか。
特に秀吉は利休に切腹を命じている訳なので、その心情は気になります。
でも・・もし秀吉がこの話通りの人物だったとしたら
器小さッ!!
つまんない事をネチネチと拘って・・・これで本当に天下取ったのかよと
訝しみました。まぁ彼は織田信長の後釜として、戦国を歩んだわけですから
その影響が大きかったせいもあるでしょう。
でもはっきり言って見損なっちゃいますねー・・
天下取る人物というのは器が大きい、という点が第一じゃないかな。
だから天下が取れるんじゃないかと・・・
まぁこの作品の秀吉はあくまで一例、でしょうけど。
見ていてイライラさせられますね。
たかが一人の、しかも茶人に何そこまで突っかかるんだかなぁ・・・

他自分が注目した点は織田信長。
彼はほんの一寸だけですが、やはり登場しましたね。
千利休から見る織田信長はどんな人物だったのかと・・・彼が利休を茶頭にしたのだから、何か彼らの間には「見えた」ものがあったんじゃないかと思います。


さて、重要な利休の香合・・・もとい"恋"について少し触れます。

利休が切腹を命じられ、命尽きるその時まで囚われていたその女性---
何と高麗から売られてきた女性でした。
売られたと言ってもその血統は正に「王女」なるもので
身なりは汚れていても凛々しい姿だった。
若い利休はすぐさま恋に落ち、彼女が買い取られる前に脱走する。

まぁ、若さ故の激情と駆け落ちともとれるエピソードですね。
確かにそんな女性が居れば生涯忘れ得ぬ人物となった事でしょう。

しかし、自分としては「一寸拘りすぎ」。
どこが?と言われると表現難しいのですが---

彼女を失った時期ならまだ解るのですが、切腹で死ぬ五十年後になってもまだ
当時の如く彼女が残っている様な風が強いんですね。
二度も結婚して老年に差し掛かったのだからもうちょっと
当時の事を穏やかに見れないものだろうか・・・
きっと彼女が美しい女性だったからだろうなーっ・・と
穿った視点で見ちゃうんですよ。(おい)

宗恩が語った「くちおしい」、正にその通りだと感じました。
利休の傍にいて、苦しくも辛くもずっと彼を支えて愛していた
宗恩のその言葉は様々な「くちおしい」気持ちが微睡んでいるだろうと思います。








Posted at 20:41 | 山本兼一 | COM(0) | TB(0) |
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