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2012.10.08

しのびよる月

逢坂剛氏『しのびよる月』読了ー。
御茶ノ水署の生活安全課保安二係・斉木と梢田コンビの連作短編集。
所轄で起こる様々な事件をいかに「楽に」解決することが出来るのかを
モットーに二人が駆け回る警察ミステリー。


しのびよる月 (集英社文庫)しのびよる月 (集英社文庫)
(2001/01/19)
逢坂 剛

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逢坂剛氏の作品は幾つか拝読した事はあるが、この作品は"軽め"だった。
岡坂神策シリーズ はハードボイルドで事件も雰囲気も重みがあるだけに
この軽さはちょっと意外だった。
斉木と梢田コンビは仲良くやっているようであって、実は小学生の頃
いじめっ子VSいじめられっ子の関係であり、未だに強く尾を引いている。(爆)
じめられっ子であった斉木は自分をいじめていた梢田が部下となった事で
ここぞとばかりに昇進の妨げ・嫌がらせ・責任の押し付け等等をやっている。
そんな二人の会話は中悪いながらも険悪にはならず、それなりにコンビとしてやっ
ているようだ。この会話には時々クスリと笑ってしまう場面などもあり、作品の
軽さとなっている。
彼らが関わる様々な事件と彼らの活躍を楽しむ作品。
自分としては、正直「う、う~ん・・」といった感想(どんなだ)
斉木と梢田の「仲が悪くてしょっちゅう言い争いをしているが、何だかんだでい
いコンビ」という関係は結構好きなのだが、ど~もなぁ・・・なんだかなぁ;
この感じを伝えるのはとても難しいのだが、一応記述する(爆)
斉木は昔いじめられていた事もあり、様々な部分で梢田の邪魔をしたり
あわよくば陥れようとする・・・そしてそんな斉木の考えを知っているだけに
梢田も中々強気になれない。(上司でもあるし)
ちょくちょく聞いたり読んだりするのだが、「いじめた側はいじめていた事を大
した事だと思っていない・忘れていたりする」事が多い。
しかし、いじめられた方はそれこそ細部まで覚えているものである。
その落差がとても悲しく、悔しかったりするので
そんな「事実」を軽く描かないで欲しいとも思う。
その関係があってこそ、斉木が梢田をいたぶる(?)根本的な理由になっていたと
しても時折「いじめられた側」の重さを織り込んで欲しかったかなぁ。
二人の会話は軽くコミカルに描かれているが、自分の中では特にユーモアがあっ
たり二人のキャラクターが面白かったり、という事を感じられなかった・・・。
例えばこの二人が他の警察小説に登場するとしたら「その他大勢」の二人になる
だろう、という位個性が薄い。
斉木の嫌がらせも軽い会話で描かれているが実はエグいし、それに対して梢田の
反応が結構軽い・・・というか諦観が強く「いや、そこはいくら上司でも訴えら
れるだろう」というレベルを黙殺している。
同じ「昔いじめっ子VSいじめられっ子関係」の警察小説といえば今野敏氏『隠匿
捜査』シリーズがあり、これはとても好きなシリーズだ。
これは主人公であり「いじめられっ子」側の竜崎という男が非常に魅力的に描か
れているのもあるが、この中で度々登場する「いじめっ子」伊丹にも
当時の自分の行動を反芻して考える場面などが見られる。
こういった部分で、著者がいじめに対しての態度が伺えるし
現在進行形でいじめが起こっている中での真剣みも感じられるのだ。
こういった配慮がこの作品には見られないので残念。
斉木と梢田の位置関係がいじめからするものならば、そんなに「軽く」いじめを
持ち出さないで欲しいと思った。
昔斉木は梢田が起こしたミスの濡れ衣を着せられた、という設定程度に止めれば
いいのだ。
いじめがあった、無しとでは心の中で大きいものだと思う。
そんないじめを通り越した二人にしては、あまり確執めいたものもないし過去の
ものとして許しているわけでもなし・・・。
こう改めると・・中途半端に感じてしまったのかな。
事件の聞き込み中に立ち寄る飲食店では、度々ただ食いしつつ「ローン」という
態で店主と持ちつ持たれつの関係を表しているのかもしれいが、それも微妙
逢坂剛氏作品はシリアスの作品が合うと感じた。
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Posted at 21:34 | 逢坂 剛 | COM(0) | TB(0) |
2012.03.31

クリヴィツキー症候群

逢坂剛氏作、『クリヴィツキー症候群』読了!


クリヴィツキー症候群 (講談社文庫)クリヴィツキー症候群 (講談社文庫)
(2003/07)
逢坂 剛

商品詳細を見る



岡坂神策視点のシリーズ第一弾らしいですね・・・
現代調査研究所所長(と、いっても一人)岡坂は私立探偵。
彼の元に舞い込んだ"スペイン事情"を元に
歴史や殺人事件の謎を解き明かしていく連作集。
スペイン内戦やスパイに関する文献と知識をひたすら
詰め込まれていた印象だった。
印象に残った事は
この時代にはインターネットが無いためか、依頼が舞い込んで
調べ物をするのは国立図書館や古本屋で書籍を買いあさる事で
調べるしかない、という点。
今では当たり前となったインターネットの便利さと
現代人の怠惰さを浮き彫りにされる事柄でもある。
・・・本編とまるっきり関係ない事に目を向けてしまう自分・・
この作品は20年近く前の作品だから仕方ないが、
その他の事に関しては時代を感じる部分が無かった。
ただ、今までスペインの、しかも内戦やスパイについてを
主旨とした作品は読んだことが無かったので新鮮さはある。
しかも中には歴史事実や実名も登場するので
その辺りの歴史に詳しい人にとってはより楽しいと思った。
短編集各々最後辺りでどんでん返しが含まれている部分もあるので
その辺りの驚きはミステリーとして楽しめた部分。
「ミステリー」や「私立探偵もの」というよりも
「ハードボイルド」「スペイン歴史」というキーワードが
浮かぶ作品。
単語が多くて難しいが、自分としては結構楽しめたと思う。
Posted at 22:49 | 逢坂 剛 | COM(0) | TB(0) |
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