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2012.07.01

テンペスト

琉球王国を舞台に、一人の少女が性を偽り宦官として生きる
生涯を描いた王宮ストーリー。
と、いうあらすじという事から初池上永一氏作品『テンペスト』を
手に取る事となりましたー。

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琉球王国とは今沖縄となっている場所・・沖縄はあるが琉球を舞台とした
小説を読むのも初めてである。
幼い頃から誰よりも聡明で本を読み耽り、学問を独学で学んできた少女・真鶴。
彼女は産まれた当初、男として期待されていたのだがいざ産まれてみると
女であり、失望した父親は男であったら付け様としていた名前・孫寧温を
与えず、名前無しのまま育てていた。そこで自分は名前を付けられていないので
自分で付けた名前が真鶴であった。
跡継ぎと目されていた兄が失踪し、それを機に真鶴は孫寧温という宦官として
王宮へ目指す事を決意。
科試という難問を潜り抜けて王府役人となり、はみ出し者となりながらも
孫寧温としてどんどん出世していく。
最初の流れとしてはこんな形ですが・・・まぁ悲しいかな
昔って日本だけでなく琉球にも女性差別は強いですね。
女性というだけで試験を受けることすら出来ないって・・・何だそれ。
その他にも結構な差別が出てくるので苦々しい限りです。
華やかな王宮の裏にある様々な「闇」と闘いながら宦官に扮して王朝の為に働く
日々・・
一難去ってまた一難---という駆け足のように進んでいくので
枚数が多い作品ながらも、中身はぎっしり詰まっている話となっています。
最初は「女性を捨て、男となって琉球王国を駆け抜けた壮大小説」
かと思っていたのですがね・・・う~ん、所々予想外な所が・・・;
確かに琉球王朝を描き、歴史に食い込んでくる物語は面白いのですが
主人公真鶴・孫寧温を始めとした登場人物達がどうも非現実的すぎる。
「琉球王国」や「薩摩」など現実の歴史の流れが同じなのに
人物象で全体が一気に薄っぺらくなってしまった感じ。
小説としては琉球について知ることが出来たし琉球役人・政治や文化
などを学ぶことが出来たので良かった。
途中までは頑張っていた主人公に対して「ん?」と思うところが
出てきていたので、最後は結構斜め読みで終わらせてしまった・・・
枠組みとしては面白いけれど、じっくり読んでみると
自分はあまり好きじゃない感じたかな・・。
何だか著者の自己満足に終わった小説、という感想。
思えば大きな感想としては『新世界より』と同じだったな。
なので、ネタバレ以降の記述はファンの方読まないほうがいいです。
(ミステリーではないけれど、ストーリーのネタバレ記述。)











以下はネタバレ。
















何か色々突っ込みたい所はあるけれど・・まぁまず
突っ込み多い主人公真鶴・孫寧温から広げていきます。
最初は前述した通り女なのに宦官として頑張っている孫寧温に
好感を持っていたのですが・・・中盤からあまり好感・同感
持てなくなってきましたね。
そもそも真鶴、全然女捨ててないしね!
女を捨てて、男として王宮に勤めるんじゃなかったのかよ、という感じ。
琉球の人間としては許されない薩摩藩の浅倉雅博に対し
恋心を抱いてしまうのは、いいよ!仕方ない事なので。
でもちゃっかり真鶴に戻って彼にメロメロとなってしまうのは
どうかと思う・・・。
隠し切れなくて苦しい思いをするのだろう・・・と思いきや
度々真鶴に戻っては浅倉雅博の前で女になったりするのって・・
最初の決心は何だったんだ?
真鶴が孫寧温となっても「絶世の美形」という点からも言えるが
はっきり言って「都合のいい時女になったり男になったりしている」印象。
孫寧温としては聡明で役人の手腕はピカ一、ということは
とても良く判るし、役人になって良かったねぇと思うが
ちゃっかり男人生も女人生二重生活しちゃってるし。
・・・・・に、してもバレないものだな。
この辺りにも著者の都合がいいように進められていると思うのだが・・
浅倉雅博も孫寧温で何度も会っているにも関わらず、真鶴として
会った時「似ている」とは感じながらも同一人物と気づかないとは・・
これは恋する女性としては少なからずショックじゃないのだろうか?
いくら男から女になっているにも関わらず、特殊メイクも大げさな
変装している訳でもないのに好きな男は気づかない。
それはつまり、あくまで上辺だけで深く相手の事を知っていない
という事になると思うのだが・・・
それは孫寧温に対して許されない恋をしている喜舎場朝薫も同様で、
惚れた相手なら宦官から女になろうと気づけよ、という感じ
(しかも女っぽさを感じているならなお更だ。)
しかも気づかれるのは孫寧温の過去を洗った
悪役(?)達ばかり・・彼らの方が真っ先に孫寧温の正体に気づくとは・・。
そもそも脅されない為に隠していた、というのもあると思うが
その時その時に出会った最悪の悪役ばかりにバレているから
最悪の利用方法されているし。
脅されているばかりだからいっそ全てバラしてしまえばいいのに・・
果てには姦計で冤罪で流刑に処せられた孫寧温は
そこでも完璧女性像をそのままに美貌と器用さで
王の側室として戻ることとなるのだが・・

早いなー・・

あっさり流刑となってあっさり舞い戻るとは

王宮の人選管理能力を疑うよ・・。

最初は舞い手として王宮に戻れると思っていた孫寧温だが
いざ戻ってみると何故か側室候補になっている---
そこで断固拒否すればいいのに、流されるまま側室になっている
孫寧温はどうなんだ・・・結局著者の都合のいいように
レールの上を走っているとしか思えんぞ;
まぁ、大体こんなんで(爆)孫寧温に同情も好感も薄れていき
最後は流れ読み&斜め読みで記憶に残っていない・・
どうやら子供を産んだようだけど・・位で。

意外に意外だったのが聞得大君(真牛)である。
最初孫寧温に気づき、彼女を利用し王宮で暴君まがいの真似ばかり
しているが、孫寧温に返り討ちに遭い、市井のユタ、そしてジュリ
にまで身を落としてしまうのだが・・彼女の誇りとプライドは
確固たるものだった!彼女が抱いた恋心も真牛の魅力を引き出していた。
どこまで落ちていても自分の誇りを見失わず生きているのは、誠、天晴れ!
『テンペスト』で一番好きになった人物でしたな。
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Posted at 21:46 | 池上永一 | COM(0) | TB(0) |
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