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2012.09.09

完全なる首長竜の日

乾緑郎氏『完全なる首長竜の日』読了。
ちょっと話題になっていたという事で手に取った作品。初乾緑郎。
「このミス」大賞受賞なので(?)ミステリー小説となっている。
完全なる首長竜の日完全なる首長竜の日
(2011/01/08)
乾 緑郎

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“センシング”という方法を使って、昏睡状態の人の意識内に入り込み、その中と現実の狭間で
揺り動かされる作品。
少女漫画家の和淳美は自殺未遂をして昏睡状態となっている
弟とコンタクトしたい為“センシング”を行っている。
“センシング”によって昏睡の弟の意識に入り込み、その中で
弟を会うことが出来るのだが、弟はいつもその中で自殺を繰り返していた。
彼は何故自殺を繰り返すのか?
そして自分と弟にある過去の情景とは?
何というか・・・蜃気楼の中を歩いているような小説。
“センシング”をしている自分と現実にいる自分の境界線が
次第に曖昧となり、どちらが現実なのかわからなくなってくる。
ちょっと前に読んだばかりなのか・・『クラインの壷』と
かぶってしまう印象を受けた。
主人公が少女漫画家という設定で、その環境も上手く活かされている
ストーリーではないだろうか。
最近のニュースでこの『完全なる首長竜の日』が実写映画化された
との情報があったが・・・しちゃうんだ、これ(爆)
しかも映画設定が原作とは一味、ふた味に置き換えられていているようで
どう収集つけていくのか気になるところ------
でもまぁ『完全なる首長竜の日』の雰囲気を踏襲するのであれば、
原作とのズレはあまり感じない映画かもしれない。
でもその雰囲気こそも変えてしまっているのであれば、違う作品になってしまい
そう・・・・・。
出演者は好きな役者ばかりだが、正直現時点で観ようとは思わない・・かな。
原作自体も自分の中であまりハマらなかった点もあるが、それに加え
映画オリジナル設定にしてしまっては・・・よほどの良作でないと;










以下はネタバレ
















殺人事件が起こるわけではないが、ミステリー小説である
『完全なる首長竜の日』。
最初一番の謎とされているのは「何故弟は自殺未遂をし、今尚自殺を繰り返して
いるのか?」である。
弟の意識内に入り込み、弟の意識との会話を繰り返す淳美は
その意識内で幼い頃弟と過ごした情景を見ることになる-----
印象深いのは昔行った家族旅行。
沖縄の海辺近くに親戚の家へ泊まりに行った-----
大人たちは家で休んだり、釣りをして
子供だった姉弟は海辺で遊んでいた。
しかしちょっと目を放した隙に弟が波に引き込まれてしまう。
慌てて助けようと弟の手を握り締めた淳美だが
幼い身体は二人一緒に波によって浚われてしまう。
その時近くで釣りをしていた父と伯父によって何とか
救助された・・・が、ふと思い出すと淳美は助けられてからの記憶が曖昧になっていることに気づく。
旅行から少し経って両親は離婚してしまったのは覚えているのに。
一方現実では少女漫画家である淳美の生活が描かれる。
長年連載してきた淳美の漫画が打ち切られる事となり、最後のネームを作成していく。自分がまだ駆け出しだった頃を思い出しながら、優秀なアシスタントを送り出す・・・という感慨深い時間を過ごしていた。
淳美はこの二つの世界を行き来しながら日々過ごしていたのだが、
段々と二つの世界の境界線があやふやになってきていると気づく。
“センシング”で出会った人が現実の世界でも登場したり
夢うつつな状態になっていく・・・そして最後驚きの真実が・・!
と、いう流れですが、後半から何となく予想が付く最後なので
そうでもないかなぁー(ぇ
最後、淳美は自分の居るこの世界二つともが自分が作り上げた
"一つの世界"だと知るのだ。
つまり、自殺未遂を起こしたのは弟ではなく自分自身で彼女は“センシング”の意識そのものだった。
ずっと管に繋がれて意識はずっと"別の世界"をさ迷っていたが、最後遂に意識を取り戻して現実に戻ってきた淳美。
そこで淳美は自分自身が何故自殺をする事になったのか、意識の中で出てきた人
物達は誰が実在の人物か、架空の人物かも思い出していく。
何というかなー・・・まぁ淳美の自殺原因が失恋、という辺り
めちゃくちゃ女性っぽいし・・自分勝手だなぁという印象。
同じ職業でもやっぱり女性の方が扱いづらいんだろうなー・・
特に漫画家や作家の人たちは繊細な人が多い印象なので、
尚且つ女性だと失恋とかした時点で書かなくなってしまう事もある・・・?らしい。(こ○亀知識 笑)
何だかなぁ・・・・
まぁ恋愛をすることで(特に少女漫画は恋愛ばっかりだし)
より漫画に入れる感情や情熱が良くなることもあるだろうが、
だからと言って失恋で書かなくなってしまうのは
社会人として、働いている人としてどうなんだ。
男の人でもそういった人はいそうだが女の人の方がその傾向強そうだし。
個人作業であり、人の感情を描く仕事であるからある程度筆が止まってしまうの
は仕方ないとは思う・・・が、編集者とか「面倒くせーなー」とか思ってるんじゃないか・・・?あくまで自分想像。
失恋の経験を上手く作品に織り込み作品自体を昇華させるのならば、その人はかなりのプロ。というか、ぴったりの職種だなとも思う。
淳美は正にその編集者に恋をしてしまった・・しかも相手は妻子持ちである。
最後でそういう結末を教えられるので、まぁ結局今まで見てきたのは
虚像だったんだなぁ・・・でもこれからどうするんだろうなぁ、というのが読み終えた感想。
タイトルの『完全なる首長竜の日』にある首長竜も
無くても良かったんじゃないか?アイテムな事にも消化不良。
つまんなくはないけれど、ほんのり陰鬱な作品だと思った・・かな。
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Posted at 19:30 | 乾 緑郎 | COM(2) | TB(0) |
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