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2010.10.23

最後の一球

『最後の一球』
御手洗シリーズ長編作品。
最後の一球最後の一球
(2006/11)
島田 荘司

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片田舎の美容院で働く男性が御手洗潔の事務所を訪れた。母親が自殺未遂をし、何故そんな事をしたのか調べて欲しいという。
一通りの話を聞いた御手洗潔は「遅かった。もう終わってしまっている事だ。
これを解決するには、それこそ奇跡が起こらない限り不可能だよ」
と不可解な言葉を放つ。いつものように訳が解らないまま御手洗と共に依頼人の美容院へと赴いた石岡君。
しかし美容院に着いてもやはり事態は解決しないだろう、と言う。
その矢先都内某所で屋上から出火というボヤ騒ぎが起こった。
発火装置や不審人物が見当たらず、しかし現場の状況から放火の可能性が高い
と踏んだ川越刑事はその謎を解いてもらうべく御手洗潔に助けを求めた。
その現場を一通り調べた御手洗潔はまたも訳が解らない石岡君に対し「奇跡だ。奇跡が起こった」と言った。
石岡君と同じく「何が?どういう事?」と混乱になってしまう一連の事件。
美容院の相談事とビルの屋上で起こった火事はどう繋がるのか?
またも取り上げられるのは社会問題。
特に冤罪事件を取り上げる事が多い島田荘司氏ですが、今回はそれは闇金融における高利貸しの問題。いつの時代も・・・というより近年になって黒々と棲み付いた借金・破産問題と金融会社の狡猾さと現時点での法律や裁判制度の問題点を盛り込んでいます。
これを読むと「本当日本って駄目だなっ!!」と憤りを隠せない。
書類重視、つまり紙の上に書いてある事ばかり重視して実態を把握していないし、もしくは把握しながら何もしていない。日本以外でもこうなのだろうか?とも思ったが、とりあえず日本はこういう形態があまりに多い気がする。
実際借金に苦しめられて自殺してしまう人が後を絶たない現代社会では、この問題をもっと大きく強く論じていくべきだろう。

却説、中盤あたりから唐突にある男性の手記となる。
幼い頃からプロ野球選手になる事だけを考え、切望し人生を野球全てに捧げてきた男の手記なのだが「何故突然野球人生の手記に?」と思ったが、どうやら
「借金・金融」の点で繋がっているようだと解る。
そして「野球」というキーワードから表題『最後の一球』の意味が判明してくる、といった構成。
今まで読んできた島田氏の手記の中では一番読みやすいものだった。
今までの手記は・・・その・・グロいし、苦痛だし残酷だし鬱になってしまう
ものばかりだったので;
野球人生を送った彼が「最後の一球」を放った時、何だか厚い雲の隙間から一筋の光が差し込んだような気がした。






以下はネタバレ。




まず一言、ビックリ!
あの島田荘司氏作品なのに猟奇死体が無い!!!(爆)
いやぁ、これは島田荘司氏作品の中で稀有な事ですよ、きっと!ファンで島田荘司氏作品を一通り読んだ事がある方にはご理解頂けるかと思いますが・・・
『リベタルスの寓話』を読んだ後だからそう強く感じてしまったかもしれませんが(爆)、これは意外だった!!
取り上げたのが社会問題・闇金融関係だったことを踏まえても・・です。
ちょっと気になる相談事の背景にはとんでもない事件が潜んでいた、という事は
御手洗シリーズでよく見かける事案ですが、今回もそれですね。
美容院をやってきた母親の自殺未遂、それは借金地獄から抜け出そうとする
苦しみからだった・・・
悪徳金融会社が裁判の目を掻い潜り債務者に勝ってしまうというのは
「世の中間違っているよ」の典型的事例ですね。でもこういう事態が事実起こってしまっているのだから・・・悲しいというか情けないなぁ。
しかもそれが書類重視形態だというのだから絶句してしまう。
裁判で捏造した書類を持ち出し、専門用語を駆使して裁判官の自尊心を擽るなんて・・
それで裁判に勝てるなんてそれこそ詐欺じゃないか。
もっと現実重視でいけっつーの!!
自分の娯楽ギャンブルや悪巧みで借金したならともかく、生活の為に
已むを得ず借金した人だって多いのだから、
きちんと裏づけと調査をして裁判を起こすべき。
それとも・・それこそが難しい現実なのだろうか?あまりに債務者や
借金問題が多くて調査仕切れなかったり、物証が乏しくて正しい判断が出来ないからなのか?
だからと言ってそればかりとも思えないしなぁ・・難しいのは確かでしょうが、
実際悲劇は起こり続けている以上詳細な調査は必要だろう、うん。
そして中盤からある男性の手記に移る。
一瞬中編集で別の話になったんじゃないか、と思っていたのだがどうやら同じ話として続いている。
そしてこの手記に記されているのは事件というより・・そのまま手記でしたねー。
野球に賭けた人生と友情物語。
読後感は良かった結構爽やか
竹谷は家が貧乏だった為もうプロ野球選手になるしかない
とずーっと野球に打ち込んでいた。
しかし現実は厳しく楽器会社の野球部レギュラーに収まったまま・・学生時代から憧れた有名選手武知はプロに入り、花道をそのまま直進していた。
そんなある日、とあるプロチームが「契約金無しで良いプロ選手を募集」という
噂を聞きつけ、竹谷は最後のチャンスとばかりに申し込む。
何とか念願のプロ選手になれたが二回の登板で今後の契約更新は絶望的・・そんな時声をかけてきたのは
何と正に花道を駆け上がっている絶好調の武知であった。彼は自分にバッティング練習のピッチャーになってくれないかと投げかけてきたのである。
それはつまり、自分はもう今後プロ野球選手としての道を完全に絶つ、という
事だったけれど彼は受け入れた。
そして益々人気者になった武知だが、チームの優勝を賭けた試合で八百長疑惑が発生、
野球賭博の罪として逮捕されてしまった。
驚愕と呆然に包まれた竹谷は何かの間違いだろうと悩んでいた。
その後辛うじて釈放された武知から突然電話が掛かってくる。
そこで窶れ果てた武知を見、野球賭博は事実であったと知らされるが
何故賭博をやってしまったのか
という話を聞いていると、武知の父親がとある金融会社に騙され自殺してしまったのだという。
さらに驚くべき事は、その会社は昔竹谷の父親も被害を被った会社であった。
武知は父親の借金の為八百長をし、野球選手としての人生をフイにしてしまった・・・これからはひっそりと暮らしていく事にするという事で竹谷から去っていった。
しかし話はまだ終わらない。
そこでようやく、御手洗の元へと繋がっていくのだ・・・そう、あのボヤ事件と依頼人の背景。
あのビルは正に渦中の金融会社、そしてその火事を起こしたのは武知と竹谷。
と言っても竹谷はたまたまその隣ビル(元勤め先)に居たとき猟銃(だったかな)を
持った武知と居合わせる。金融会社ビルが検察の捜索を受けていた関係か、
刑事に取り押さえられ半狂乱の武知を
見つけた竹谷は驚き、武知も竹谷を見つけた。そして彼は必死に「カビンを撃ってくれ!!」と叫び、パトカーに乗せられるまで何度も何度も竹谷に懇願した。
そんな事を言われても偶々そこに居合わせた竹谷にとっては何が何だかわからない。呆然とするも懸命に考える竹谷。
武知が訴えた必死の形相に何とか答えてあげたい一心で先程の状況から何度も何度も考え、ようやくたどり着いた答えは正に「最後の一球」を放つ事だった。

読者としては武知がやろうとしていたことの結果を知っているから解るが、竹谷は本当に真っ白な状況から
推理しなければならない。
まどろっこしいのは確かだが「頑張れ~!!そうだ、それで行けー!」と
両手拳で応援してしまうシーン。
最初に御手洗が言った「奇跡」は彼らが起こした「必死」の形だった。
金融会社の書類を燃やすことによって何人の人達が救われたか・・本当に息迫る、感動のシーンだった。
何より印象的なのは竹谷・武知の友情だろう。
スターになった武知、二流で終わった竹谷。二流でも竹谷を励まして必要としてくれた武知と、スターになったが転落の人生となってもずっと彼を尊敬していた武知二人の関係は羨ましく眩しいものだった・・・。
こんな友人がいてくれたらそれだけで果報者だなぁ・・いいなぁ感動だ。
その友情でこの作品は非常に気持ちの良い、爽やかな感想を抱いた。
正直島田荘司氏作品の中では珍しい(苦笑)感嘆する作品は多いが、爽やかさを感じる作品は少なかったので・・;
この感じは・・・そうだなぁ『異邦の騎士』と同じような穏やかさと温もりもありました。読んで良かった~という感じ。
最後に・・プロ野球選手になるのって大変だな!!想像以上、否想像を絶するな!
毎日のように流れるプロ野球ニュースに
映し出される選手達は誰もが
スター街道を駆け上がってきたのだと感銘受けました。
映し出される選手より人知れず消えていく選手達の方が多いのでしょう。努力だけでは乗り越えられない現実。
当たり前の事なのに、いざ自分が対面するとその心苦しさは想像以上だとも思います。
竹谷を通して島田氏が伝えたひとつの「人生観」も印象的でしたね。
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Posted at 21:10 | 島田荘司 | COM(0) | TB(0) |
2010.09.25

リベルタスの寓話

表題「リベルタスの寓話」「クロアチア人の手」二編が収録された中篇ミステリー。

リベルタスの寓話リベルタスの寓話
(2007/10/06)
島田 荘司

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御手洗の友人ハインリッヒから語られる「リベルタスの寓話」。
ボスニアで起きた猟奇殺人事件。NATOより御手洗の出動要請を受けるところから物語は始まる。
もぅ、島田荘司氏的死体出たー!!!という感じ(爆)
冒頭から残忍極まる死体を出してくれましたよ。これぞ御大島田荘司!!ですね。
胴体を縦真ん中から開かれ、内臓は取り出されて代わりに虫篭や飯盒らが詰め込まれている死体。
目を覆いたくなるような惨状・・・。
何故犯人はそこまで猟奇的な死体にしたのか?犯人は一体誰なのか?
猟奇的な死体にしたのはただの愉快犯という事も考えられますが、そこはミステリー
そこは島田氏、そんな理由で死体損壊をしたわけではないんですよね。
まぁ・・今回はちょっと愉快犯臭しますけど(ボソ)

しかし、謎は深まる。
わざわざ死体を切り開いて内臓をとり出し、わざわざ代わりになるような用具を
詰め込めて立ち去っている犯人・・・意図が全く掴めません。何て手間の掛かることを;
その後至る所で被害者の内臓が発見されていくのですが、何故か腸だけは見つからない。
そんな所も謎であり、重要なキーワードとなっています。
犯人については最有力容疑者がいるのだが、現場に残った犯人の痕跡・・この場合血液型が
一致しないため逮捕する事が出来ない。他の容疑者も探しているが中々見つからないという所。
背景にあるのはクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ国の
独立の可否や国のあり方をめぐってボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人等の紛争。
其々の国が持つ、其々の民族・人達の苦しみと憎しみが混ざり合っている。
いくら日本から遠方の国の出来事であるにしろ、こんな悲惨な紛争を知らなかった自分が
恥ずかしい・・・こんな非道があっていいのか、という争いが繰り広げられていたようだ。
その背景にある民族同士の争いがこの殺人事件と繋がってくる。
そして表題でもある「リベルタスの寓話」はその地に伝わる寓話で、猟奇的な死体は
その寓話に擬えたものであるという事がわかってくる。


クロアチア人の手
此方も背景にクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ国の背景があるのだが、
事件が起こるのは日本。大使館でクロアチア人の死体が発見される。
日本だけあって(?)語り手は御馴染みの石岡君。
謎極まる殺人事件にまたも電話で御手洗へと助けを求め、事件を推理してもらうという流れ。
現場は密室で水槽に上半身を浸したまま発見された死体。そして片腕が無くなっていた。
この事件はかなり難しいというか・・特殊な施設で特殊な設定が故に起こった不可解事件です。
解くのは難しい・・・だろ~・・これは!という感じ(苦笑)
日本の大使館内で起こる殺人事件ですが
何故大使館の中に金庫みたいな部屋があるんじゃい!
という突っ込みから入ります。現実にあるもんなのか・・?無知ですみません;
密室殺人もさることながら、大使館前の道路で起こったもう一つの事件も
より一層不可解さを増しています。
道路で一人の男性が死んでいた。現場の状況から交通事故かとも思ったが、
何やら爆発物が爆発して男性は死んでしまったらしい。しかし火種から何から
爆発物と思われるような物質は検出されなかった。
国外から持ち込むのは不可能、国内でも購入するには難しい時間帯である。
調べると被害者男性はその大使館で殺されていたクロアチア人の一人だった。
友人二人が同時期に別々の場所で死んでいたその理由とは?
「リベルタスの寓話」と通じるのはやはり国の背景によるものだろう。
過去に起こった悲惨な紛争と現実、今ここで起こった殺人事件は同じ所から噴出したものだと思った。






以下はネタバレ。







リベルタスの寓話
今まで読んだ島田氏作品で登場した死体の中でも上位に就くだろうという位悲惨な死体から始まった。
内臓を出すだけでなく、代わりに虫篭や飯盒を詰めるなんて何の脈絡性もないでしょう。
今回はその"脈絡"は"寓話"という位置づけになったわけですけど・・・
選挙の際に使用される子供サイズのブリキ製の人形から、ある時代
その地が戦争で追い詰められた際ブリキの人形に内臓の代わりとなる形の木製彫りを詰め、心臓だけは本物を入れたらブリキ製人形が動き出してその地を救ったという"寓話"。
どういう逸話かと思ったら島田氏の創作らしいですね。
そしてその創作である"寓話"に擬えた猟奇殺人って・・・・・
創造に創造しただけじゃないか!!(爆)
つまり見立ての為に話を創造し、わざわざあんな死体を拵えた事になりますな。
正直「ええぇぇぇー?」となった。
その"寓話"がその地(クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナとか)に実際存在するものなら
まだしも"寓話"さえ創造なら「何故そんなことしたの!?」となりませんか?
今回遺体を解体した理由としては背中(脊髄でしたっけ・・;)にある細胞を取りたいが為、
その時背中から摘出したら一発でその理由に感付かれるが故に解体したという事に
なっていますが虫篭や飯盒ら、そして心臓は本物を残したという意味はないよね!?
腸だけはコインを積め身体に巻きつけるために必要だった"容器"だから、という
理由で持ち去ったという事だけど・・・それもちょっと無理あるというか;
どうも「死体を解剖してみたかっただけ」としか思えなくて・・!!(汗)
背中に穴開いているのがバレたくないなら燃やしてしまえばいいではないかーとか・・
でも血液型が変わってしまうのは驚き。
ミステリー界での常識が覆りますよ(大袈裟)。現場に残った犯人の血液が違っている時は
大体「今は閉ざされた空間で鑑識(警察)がやってこれない」とか
「別人のものをわざと残した」というパターンが多かっただけに驚き。
科学・医学が進歩する度島田氏は勉強されているのでしょうねー。
そして背景となる国々の歴史、紛争も勉強されていますね。
でも今回は本当に酷い史実ばかりで反吐が出る。
こんな事が公に、しかもまともな精神の元に行われていたのだろうか?ありえない。
平和だから、戦争だから、という括りでは片付けられない程の非道で胸悪くなりました・・・
知っておくべき歴史かもしれませんが、正直知りたくなかったなぁ・・・。


クロアチア人の手
こっちはいつものパターン「御手洗頼むよ」石岡君事件(笑)
日本で起きた不可解殺人事件をスウェーデンにいる御手洗に解いて貰うものでした。
この事件で注目すべきは「クロアチア人二人」と「右腕の行方」。
最初密室で死んでいたクロアチア人と、道路で死んでいたクロアチア人が入れ替わっていた
という重要なキーワードがあるのだが、これは正に日本ならではの重要度だった。
いくら近年国際化の波が押し寄せてきたとは言え、日本国内でクロアチア人は目立つ。
そして空港から海外へと逃げ出す際にも、クロアチア人が別のクロアチア人と
入れ替わっていても気づかれることは無いと言っていい。
まぁクロアチア人から見ても日本人が皆同じに見えるのと同じだろう。
死体入れ替えトリックと密室、そして腕消失の謎が織り成す殺人事件・・・
いやぁ、解けないって;
特に密室&右腕のトリックは「知っていないと」解けないんじゃないかな、と思いました。
まさか片腕が義手だったなんて・・・しかもそんな精密な機械だったなんて・・・
これはアンフェアじゃないですかねー。例え義手であるという事に気づいても
密室の謎なんて解けませんよ、たぶん。
密室トリックは本当「凄い事考えるなー」と思いますが
奇抜すぎてSF的な域に達していますな。
まぁこれも自分の浅慮でしょうが・・・・・でも無理だろ~

いつもの如く多忙な御手洗探偵に電話し、一つ一つ謎を解いていってもらうのだが
御手洗探偵曰く、『臥龍亭事件』と同様石岡君はこんな事件が解ける位の頭脳はあるらしい。
しかしあまり考えもせずに自分の下へ訊いてくるものだから辟易してしまっている感が漂う。
確かに御手洗教授は忙しいからいちいち相手にしてられないんだろうね・・
けどちゃんと返すところは返している部分が石岡君への想いとして感じます(笑)
右腕の行方について答えるシーンで石岡君はついに見捨てられたかと感じるのですが、
まぁギリギリ(?)そんな事はなく、ちゃんと右腕の場所を教えてくれました。
でもここはねー・・一寸まどろっこしいですよね。ハッキリ教えてやればいいものを
何でわざわざ判り難い言葉で告げたのかわからん;
「木に体当たりしろ」と告げ木の枝辺りに引っ掛かっている腕を見つけさせようと
しているのはわかるが、だったら「木の枝に腕がある筈だから探せ」と言えばいいじゃん(爆)
と思ってしまう。
『臥龍亭事件』での「リュウコワセ」は判るんですよ、電報だったし急ぎだから
必要最低限の言葉で伝えようとしたのだと。
しかし今回は電話ですし言葉数も同じくらいなんだから言えばいいのになぁ・・。
気になるところは其処カヨみたいなツッコミがありそうですが、今後石岡君と御手洗教授が
どうシリーズとして続いていくか気になる、という事で挙げさせて頂きましたー。
Posted at 20:45 | 島田荘司 | COM(0) | TB(0) |
2010.09.05

犬坊里美の冒険

『龍臥亭事件』や『龍臥亭幻想』に登場した犬坊里美が主人公となった『犬坊里美の冒険』。
犬坊里美の冒険 (カッパ・ノベルス)犬坊里美の冒険 (カッパ・ノベルス)
(2006/10/21)
島田 荘司

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『龍臥亭事件』ではまだ高校生・・・?だった犬坊里美は現在27歳の司法修習生。
弁護士になるため実習を受けることになった。
いやぁ、時の流れを感じます。
島田氏の登場人物達はリアルタイム近く(爆)歳をとっていくので。
少し久しぶりで気になっていた『犬坊里美の冒険』を遂に読了しました。
今まで長編・短編に度々登場してきた犬坊里美ですが、視点はいつも石岡先生で
彼女視点は初じゃなかろうか・・・。
読む前は第三者視点かと思っていたけれど彼女視点で嬉しいですね。
彼女っていつも何考えているんだか謎だったので。(爆)


司法修習生期間一年で色々な経験をして弁護士になろうという
第一歩目は殺人・死体消失事件です。
探偵でも刑事でもなく司法修習生という立場で、しかも
容疑者逮捕された後という状況下、彼女はどう事件に立ち向かっていくのか?
取りあげられる事例はやはり島田荘司!という感じで社会問題を鋭く突いているものと
死体消失という奇想天外トリック!
舞台は倉敷。
祭り準備の為総社神道宮に集まった人々の前に忽然と一体の腐乱死体が現れた。
そしてパニックになる人々が慌てて近くの警察を呼びに行った
ほんの数分間の間に死体が消えた------。
そしてその境内に潜んでいた一人の男が逮捕される。

社会問題については司法修習生という視点から現在の日本司法についての問題や
実情が浮き彫りにされ、憲法や制度の危うさと杜撰さも感じました。
こんな事でいいのか捜査・司法は・・・と嘆く

事件、死体消失もやはり凄いです。
周囲には物陰となる建物も岩も木さえなく、忽然と消えた死体を捜す。
容疑者は捕まっているものの、死体の在り処について黙秘を貫いている。
状況を考えれば考えるほど判らなくなっていく謎は島田氏特有のトンデモ真相です。
またも「わかるかー!」と突っ込んでしまいましたよ(笑)
どんな視点で誰が主人公になろうが事件のトリックは島田氏ならでは、を感じさせます。
「おいおい・・」と突っ込み所がある点も含め。

さて、前述した通りこの話は犬坊里美視点であり彼女の葛藤や悩み、心境が綴られていきます。
「何を考えているか判らない」彼女が「なんとなく判った」という所まできました。
言わせてもらえれば-----
弱ッ!!!
ですかね(爆)
『龍臥亭事件』や『龍臥亭幻想』を経てきた人間とは思えない。この点は正直ガッカリです。
『龍臥亭事件』と『龍臥亭幻想』だけでも凄い経験をしている筈なのに普通の女でした。
人間というものは辛い・悲しい経験を経た後では多少なりとも逞しくなるでしょう、
と思っていたのは自分だけかー?
それとも今まで石岡君視点だったからで犬坊里美自身はそれほど事件を
目の当たりにしていなかったんだっけ・・・?
う~ん、読み返さないとわからん
これが所謂"普通の女性"なら判るんですよ、えぇ。
この場合の"普通"は猟奇殺人事件に遭っていない、という点の"普通"ですが・・・
しかし犬坊里美は何度も殺人事件を目の当たりにし、人間が持つ醜悪さと凶悪さと
哀しさを少しくらい感じていたのかと思っていたんです。
でもこの作品を読む限りそういった点は感じられなかった・・
それともそんな点を求めることが間違っているんですかね(苦笑)。
まぁとにかく、個人的には以前より犬坊里美評価が下がっちゃったかなぁ・・
一人で懸命に事件を追う姿は良かったですけどね。





以下はネタバレ。






今回事件のテーマはまたしても"冤罪"でした。
島田氏は何度か取りあげているテーマですね。
腐乱死体が突如現れ、消える---そしてその近くに潜んでいた住所不定の男が逮捕されるわけだが、
彼は当初
黙秘、そして自白を始めた。
自分がやったと告白したのだが、死体消失については謎のままだ。
それも当然。
彼は殺人事件において無実、冤罪であり半ば自暴自棄のまま自白をしていたのだから。
容疑者の様子や死体消失が謎のままであることなどから
この事件の"真相"を解き明かそうと奮闘する、
犬坊里美と同期である尾登と(年は離れているが)芹沢。
皆が司法修習生という立場から色々と苦労していましたねー。
しかし検察側が死体消失については判らないからでっちあげ話を作り上げる部分は
とんでもない事を・・・と思いましたが
「こういう事って多そうだ・・」とも感じました。
実際の事件でも"ここがよく分からない"部分を捏造し、
"ここは事実だ"という部分と繋ぎ合わせて
一つのストーリーを練り上げる。
そもそも冤罪はこういう事の塗り重ねで出来ていくのではないだろうか・・。
一つでも容疑者を追い詰める証拠が出てくれば
他の疑問や腑に落ちない事実など黙殺されてしまうし
悪ければ捏造・隠匿されてしまうのだろう。
そしてもうひとつ、容疑者の心境についても説得力がある部分がありました。
この容疑者である男は自分が犯人であると諦めてしまっていて
犯人でもいい、と思っている所です。
自分には住む所も待ってくれている人達もいないし
仮に釈放されたとしても、世間からは白い目で見られながら外に
放り出され死んでしまうだろうと・・・だから犯人として
刑務所内に居たほうがマシだと結論付けしているわけです。
本人はそれでいいかもしれませんが、よくないって。
自分は特に「真実を知らなければ」とか「冤罪は放置して良いわけない」
という言葉より「真犯人が逃げ果せてしまう」という言葉の方が納得出来ます。
冤罪が恐ろしいと言われる一番の理由はそこではないかと。自分が犯した
罪を他人に被せてのうのうと生き延びるなんて許せないですよね、
何より被害者やその家族は堪らないでしょう。
だが、一度罪を認め裁判が始まった後に冤罪だと翻すのは困難を極めるでしょう・・
かなり強固な証拠がないといけません。
ということで、容疑者の裁判が始まるまでに
不可解な謎を解明すると共に、真犯人探しも始まります。
最初は容疑者が犯人だと前提を置いて裁判でどう闘うかに論点を置くのですが、
容疑者との面会と状況証拠によって別の犯人がいるという結論へ。

最初は協力してくれた尾登と芹沢も離れ、最後は里美一人で犯人の元に
(この場合家ですね)忍び込み、あっけなく捕まってしまい縛られた里美の前で犯人が
告白する、という流れでした。

「何でわざわざ此処で告白?」という疑問はありますが・・・
まぁ里美が事件背景を知るには唯一の機会だったからかもしれませんね。
そしてやっと真犯人判明!
真犯人が逮捕(自首)し、死体消失トリックは里美が裁判で明らかにするのですが
・・・びっくりでした。

「死体は食べたんです。」
食べた?食べたぁッ!?
と驚愕&混乱。だって「食べた」ですよ!?ンなわけあるかぁぁと絶叫ですよ。だって死体だし・・・尚且つ腐乱死体ですよ!?正気なら近寄れもしないのに!!
と、混乱している最中小説でも大騒ぎしてます(苦笑)。
だが、それはあくまで「死体に見せかけたお菓子」だそうです。
別の意味で驚愕。そんな事が出来るのか・・・でもまぁ一瞬だし無くもないかな・・・
と、いう所で落ち着きました。
臭いだけは本物で、腐乱死体そのものはお菓子か・・・
何ともまぁ、島田氏はまたしてもトンデモトリックを書き上げたものです。
臭いと死体を別物として扱い周囲の目をごまかした手法は見事ですね。
腐乱死体の特徴を極限(?)までに利用した死体消失事件でした。
やはり一寸強引な気もしますけどねA^^;)
いくらお菓子でも臭いを嗅いだばかりで、死体を模した物食べられるものかなぁ

あとは・・まぁキャラ立ち派人間として登場人物について触れておこうと思います。
犬坊里美、これは前述した通り弱いなおい!という印象。
容疑者と面会する所で脅かされるわセクハラ受けまくるわ、
泣き続けだわで・・何か情けない程でした
『龍臥亭事件』事件を忘れたのかーあの事件の方がよっぽど凄まじいぞ!?
あの経験は何だったんだ状態。
劣等感に苛まれていた部分は意外でした。
同じ司法修習生の中でも自分は落ちこぼれだ、とか成長していないとか悩んでいるようで・・・
そこまで落ち込まなくてもいいのに、と思いつつ強ち間違ってはいないかな(苦笑)
司法について疎い部分は「大丈夫か?本当に試験受かったのかよ」
と突っ込みたくなる時がありましたし、
容疑者にいいようにからかわれていたのは駄目でしたね(再度)
それに、この事件を調べている中すぐ周囲に甘える部分も駄目です。
一人で頑張っていくのかと思いきやすぐ尾登
に電話するし、彼が他の司法修習生女子に取られたときもブツブツ言っているし・・
助けを借りたい、というのなら
判ります。色々情報得るためや裁判で確固たる証拠を集めるためには
他の人達の力も必要でしょう。
しかし、この場合は違っているんですよねー。
ただ弱音を吐きたいだけって感じで・・甘えたい欲望が出ていて嫌でした
・・どうしたいんだお前は、と。
尾登から強引に誘われて祭りに行き告白されたけど
里美自身には好きな人がいる・・・けど
彼を完全に拒否しない点が狡賢く女性ならではの思惑かなぁと思いました。
とりあえず見た目も中身も悪くないからキープしとこう、みたいな・・・;
多分気のせいではない。
こんな部分が露出してきて嫌いになりそうだったが、
彼女の彼への想いで踏みとどまりました(爆)
そっかぁ・・・犬坊里美はやはりあの人がが好きだったんだね・・・としみじみ。
でもきっと彼は気づいていないぞ・・罪な男よのぅ(笑)
あの電話シーンがとても良かった
Posted at 22:39 | 島田荘司 | COM(0) | TB(0) |
2010.05.10

UFO大通り

久しぶりの御手洗&石岡コンビ復活!!
って事で自分としては嬉しい作品でしたね。
最近は単独のミステリー事件ばっかりだったので
面白いとはいえ、物足りなく読む力も衰えてきたので。
復活というか、石岡君語りの「二人が出会ってまだ年月浅い頃」を振り返っている話ですがね。
新作には変わりないので良しとします(笑)
UFO大通り (講談社ノベルス)UFO大通り (講談社ノベルス)
(2008/10/07)
島田 荘司

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最初に、私が推理していった中で一番の落ち度は、スズメバチの巣が地中の穴で営巣される事をすっかりと忘れていた事で、子供の影響でくまのプーさんなどでやたらとミツバチの巣が木に営巣されているイメージばかりが頭にこびりついていた事だった。

「UFO大通り」と「傘を折る女」二編が収録されていて、どちらも御手洗がいつもの手順・行動・推理力で解き明かしていくもの。
一寸前の御手洗シリーズファンとしては「原点に戻った」感じで好感触かと思ってます。(勝手に;)

UFO大通り」は御手洗の下に小さな女の子が相談しにやって来る所から始まります。
どうやらその女の子の祖母が「宇宙人を見た」らしい。近くの山にUFOが着陸し、UFOに乗った宇宙人たちが祖母が住んでいる家
に面している道路を通る。その姿を目撃したらしいのだが・・。
その「宇宙人」「UFO」の謎に迫るべく御手洗と石岡君が捜査する事件になります。

いつもながら何が何やらわからん状態で(爆)
普通のミステリー手順(?)では解けませんね。御手洗潔じゃないと難しいでしょう;
しかも最初はそのUFO目撃談から事件は何とも
思いがけない事件へと発展してゆく。

傘を折る女
これは御手洗と石岡が部屋で何気なしに聞いていたラジオ放送から始まる。
ラジオ番組に「雨の夜、一人の女性が持っていた傘を路面に置き、通りがかった車で傘を折らせていた」という不可解な目撃談。
投稿者はマンションのベランダからたまたまその光景を目撃し、ラジオに投稿したとの事だった。
雨が降っていて、尚且つ傘を持っているにも関わらず何故女は傘を折ったのか?
その謎を御手洗が推理する話。

どちらも「何気ない日常の謎」から思いがけない背景が潜んでいる、スゴイ真相です。
「傘を折る女」は・・・・・とにかく色々な意味で凄まじい印象を受けました。

自分たちも気づかないだけで、実はとんでもない事件の重要な一場面を目撃しているのではないだろうか?
そんな感慨を持つ二作品でした。






以下はネタバレです。








「UFO大通り」は「宇宙人」に色々な事が隠されていましたね。
スズメバチ駆除やら殺人(事故)事件やらで
様々な事情を持つ人達が絡み合っていた感じ。

スズメバチによるアナフィラキシーショックを持つ男性とその婚約者、そして彼の訴えを受けていた行政の人間・・・
それらの人達が起こした"事態"をたまたま目撃したって事ですよね、あの老婦人は。
でもねぇ・・駆除する場面が「宇宙人の戦争」に見えたっていうのは強引ではないでしょうか。
ちょっと無理やり感があるのは拭えません。
あれだけ「老人ボケ」を否定する記述があっただけに・・・。
でもって、この事件に登場した刑事は中々面白かったですね。他の作品にも登場しているのだろうか?
眺めている分には退屈しそうにない人物である(笑)


「傘を折る女」
これはまた一つの社会問題を取り上げた事件でしたね。
日本の犯罪事情と報道規制や風潮というか・・

傘を折る女はバスジャックで人質となり、唯一犯人に殺された女性の娘。
似すぎる事件が起きているだけに妙な生生しさを感じました。
バスジャックだけでなく、少年犯罪起こる度に日本って「おかしい」ですよね。
まぁ、他の国がどうなのか詳しく知らないのですが、犯人が未成年の場合実名が未公開であるのに被害者の名前は老若男女関係なく実名公開。
釈然としねぇな・・・・っとに。
何か加害者を守る規制があって被害者を守る規制がないという現実。絶対おかしいだろう!
被害者は只でさえ傷ついているのに、さらに心無い人間から、マスコミから誹謗中傷を受けたりする。
なのに加害者は実名もなければ「その後どうしたのか」も完全非公開。
そりゃぁマスコミに知らせろ、とは言わないが被害者やその家族は知る権利があると思うなぁ・・・。

そんな事件ですね(何)
バスジャックで大事な母親を殺された女性の苦悩と殺人。
殺人者である筈の彼女が未だ「被害者」である印象が拭えない。それほど社会や殺された人間の
"実態"が酷過ぎる
苦味が残る事件でしたね。

トリックは偶然やアナフィラキシーショックを踏まえたものなので、読みながら推理した人にはやや小難しい事だったろうと思います。自分は何も推理せずに読んだので「はぁ、そういうこともあるかね」位にしか
考えなかったのですがね・・・。
Posted at 22:11 | 島田荘司 | COM(0) | TB(0) |
2010.03.22

溺れる人魚

巨匠島田荘司氏短編(?)集『溺れる人魚』読了しましたー!

一昔前の御手洗シリーズとは違い、今回も海外で活躍石岡君不在の御手洗シリーズ(笑)
溺れる人魚溺れる人魚
(2006/06)
島田 荘司

商品詳細を見る


では、少しあらすじ紹介。

ミュンヘンオリンピックで大活躍し美貌を誇るポルトガルの水泳選手アディーノ・シルバ。
彼女は先天性のニンフォマニアと診断され、ロボトミー手術されてしまう。
手術後彼女は介護なしでは生きられない身体となってしまった。家族が献身的に介護するが、度々癇癪も起こしてしまうアディーノ・シルバ。数年後、彼女はピストル自殺し、そのアパートから2キロ余離れた場所で彼女の手術を担当したコスタ教授という男性も射殺死体として発見される。そしてコスタ教授宅に残された1発の弾丸はアディーノが自殺した同じ銃から発射されたものであり、死亡時刻も同時だったという・・。

人魚兵器
ハインリッヒは友人のミタライが「人魚のミイラ」の鑑定を依頼され、ついて行く事に。そういった物の多くは眉唾ものだと知っているミタライは偽者だと見抜くのだがロシア人研究者から、人魚の焼死体らしきものの写真を見たと言われ、ロシア・ベルリンへと足を運ぶ。
人魚のミイラから発展する第二次世界大戦に行われた残虐非道なシナリオが暴かれる。


耳の光る児
ロシアやアジア各地で耳の光る赤児が4人生まれたという。発現は様々で母親は人種も言葉も異なるが、平凡な主婦で特殊な職業にはついていない。
ミタライは、母親たちの共通項が東方からの侵入異民であることを重要視し、東洋史にヒントが隠されていると感じ、タタルスタンやロシアの歴史資料を片端から読んだ。
捜索は有名なチンギスハーンやモンゴル帝国にまで及ぶが、その壮大な歴史と耳が光る赤子の関連性とは何なのか?

海と毒薬
石岡の元にある女性から一通の手紙が届く。『異邦の騎士』に救われたと書かれた手紙から様々な思いが去来する石岡。
手紙を書いた彼女は元住吉「ランプハウス」へと訪れる。そして紅茶を注文した後、硫酸Dの小瓶を取り出した・・・。

島田氏らしく、今回も社会的問題を背景に壮大で予測不可能な真相を創りだしましたね。
溺れる人魚のロボトミー手術に関しては本当に酷い。そして恐ろしい背景が滲みこんでいます。
この一つを例に挙げても、島田氏の知識と調査量は半端じゃなかろうかと!(汗)歴史から医学から薬剤から・・・諸々凄すぎますよ。一体どれだけの知識が脳に収められているのか気になる・・!!という位の飽和な短編集。
印象に強いのは先程も挙げた 溺れる人魚人魚兵器でしょうか。







以下はネタバレです。






溺れる人魚、アディーノ・シルバは悲劇の女性ですね。病気を治すために行った手術で介護が必要となってしまったのだから。
それにしても、恐ろしいです。
医師の手と考え一つで人間はどうとでもなってしまうものですね。医療ミスの類とは似ているようで似ていないな・・確か人体実験と言える手術(でしたよね?)。
彼女の無念さはとても測り知る事など出来ないでしょう。アイツを殺して自分も死ぬ・・・!!よく使われるセリフでありますが、この時ほど同情感を持った事はありません。
世界には同じ様な目に遭った方が沢山いらっしゃるのではないでしょうか・・・立証は難しいのもまた悲劇です!

人魚兵器ではナチスの非道ですね。
フィクションかもしれませんが、フィクションに思えない所が島田氏小説ー。
多分この話に基づく資料があったんじゃないかな、と勘ぐってしまいます。
それは、キメラの製造
ユダヤ人や身元の危うい女性を拉致してきては人間以外の遺伝子を組み合わせて出産させるという人体実験。
言うにもおぞましい行為です。よくもまぁそんな荒唐無稽な発想が思い浮かぶものである。ある意味感心してしまいますね。
第二次戦争最中に地下施設を建設して行われていたであろうそのおぞましい実験・・・果たして真実なのか否か・・・

本当に本当に、戦争って嫌です。
それは爆撃で多くの人々が死ぬ。銃撃戦で尊い命が奪われる。
それだけではないからです。こう言った実験や兵器の開発、細菌の解析などによって"隠された被害者達"が大勢いるだろうという事です。
戦争映画を見るたびに「こんなことが・・」と心が痛む悲劇があるものです。戦争は見える被害だけでも甚大なのに、隠れた被害も数多く存在する恐ろしさとおぞましさ。むしろ隠された被害者達の方が惨い仕打ちに遭ったりしているのですから・・生きて帰っても拷問とかあるし・・。
戦争って必要?"これ以上ない悲劇"が起こる戦争の必要性って何だ!?

そんな風に叫んでしまう作品んです(長い)
他二編はあまり印象強くなく割愛です・・・スミマセン
Posted at 19:11 | 島田荘司 | COM(0) | TB(0) |
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