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2013.04.28

弁護側の証人

初小泉喜美子作、『弁護側の証人』読了ー!

弁護側の証人 (集英社文庫)弁護側の証人 (集英社文庫)
(2009/04/17)
小泉 喜美子

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女性作家の作品を手に取ることが少ない最近では珍しいですが
ミステリー要素が多いらしい・・との小説紹介で見たので読んでみました。
読了してから知ったのですが、この作品は結構古い・・といっても
1963年か・・言葉使いや"お家柄"要素は昭和な雰囲気はしましたが
そんなに色濃く感じなかったので・・違和感なくスルスル読みました。



ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦からの熱烈なアプローチから恋に発展、玉の輿に乗った。しかし、杉彦の父親当主・龍之助を始め、親類や果ては使用人までもが漣子を軽視している。

彼女自身もそれを認めているので、彼女なりに周囲から認められようと必死に振る舞う。
が、そんな矢先当主である龍之助が離れにて撲殺される事件が発生。
外部犯の可能性は退けられ、容疑者は屋敷内に居た人間-------
そんな中逮捕されたのは"無実"の人物であった。




冒頭は漣子の法廷に対する証言や苦悩の心境から語られます。
だがこれは叙述トリックが含まれており、自分も騙されたクチです。
と、言っても気持ちよく騙された感じではなくて・・・何だかしこりの残る騙され方と言いますか(爆)
「結局こっちだったのか」と突っ込みを入れるくらいの騙され方です(何)。
ミステリー小説というよりは、法廷小説(造語;)で題名通り
弁護側の証人が中心に語られる作品となっていますね。
騙されたい、という方にはオススメですがトリックに騙された・意外な真相に
驚きたい、という人向きではないかも・・・。
叙述トリックが好きな方はオススメ出来るかと思います。


















以下はネタバレ。



















まぁ、ミステリーではなく叙述なのでネタバレ以後じゃないと

この作品の面白さは多く語れませんなー。

実を言うと、自分自身はあまり「面白い」様には感じられなくて(^ ^;)

「まぁ、こういう作品もあるよね」位の感想です。上からでスミマセン;

何より叙述トリックは一つですし、「どっちかが犯人だ」という
二者選択しかない事件なので大きな驚きはありません。
最初読者は杉彦が龍之助殺害犯という"無実の罪"を着せられ
死刑判決を受ける、という事が知らされます。
それに対し漣子は必死で夫の無実を信じ彼を救おうとする健気な妻-----
という設定を"錯覚"させるわけですね。
格子越しに別れた漣子と杉彦・・その後漣子はすぐ弁護人と当時の事件を担当した
警部補と面会し、当時一体何があったのかを語り始める訳です。
そこで読者は漣子と杉彦のなれ初めから漣子が屋敷に居た時の状況、
事件当時何があったのかを知るのです。
そこで自分は中盤あたりから「実はこの漣子が犯人ではないのか?」と
疑い始め、その後事実彼女は殺人犯として逮捕されていた事も判明します。

「なぁんだ、やっぱり犯人は漣子だったかー」と思いきや
その実はやっぱりる杉彦が殺人犯だった-----という流れ。




ここだけ読むとよく解らないかと思うでしょうが(爆)




詳細を書くと・・最初殺人犯として逮捕されていたのは杉彦ではなく

漣子だった訳です。

その後法廷で事実が判明し、杉彦が漣子に殺人の罪を着せていたという

「真相」が明るみになります。

読者側からすると

杉彦が犯人だが、実は無実ではないか→事件を洗いなおして他の犯人の可能性→真犯人は語り手である漣子自身。

という風に誘導されていくのですが、最後で漣子は罪を着せられていたという結論に至るのです。

よって冒頭で語られた元夫婦の会話の言葉に痛烈な皮肉が織り交ぜられている、という事もわかるのですね・・いやぁこの辺りの言語表現は見事です。

格子越しでどっちが"此方側"だったのか、というのも読み返すといいかも。

今まで挙がってきた事件当夜の杉彦・漣子の供述が一気に見直されてきます。

何よりスゴイのは、親類一同から漣子を必死に弁護していた杉彦が誰よりも

漣子の事を蔑んでいた事でしょうか。

漣子が刑務所に入った後、財産を独り占めし親類の令嬢と再婚しようとまで目論んでいたのには流石にあきれるというか・・・感心さえしてしまいました。

漣子はギリギリ助かったという事なんですかね。

彼女の親友エダの存在が光ります。
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Posted at 21:26 | 小泉喜美子 | COM(0) | TB(0) |
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