FC2ブログ
--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2008.10.30

変身

これもまた結構前に読んだ東野圭吾氏「変身」

テーマは-脳移植-です。
現代医学では・・・無理な領域ですよねぇ・・?いや、やめて欲しいなぁ。これ読むと。
これで確かに人命が助かるかもしれないけれど・・・脳はやはり別世界の移植部位。
主人公成瀬に不慮の事故が降りかかります。
その時受けたのが「脳移植手術」。
奇跡的な医学で、奇跡的に助かった成瀬ではあったが・・・
彼の悲劇はこれから幕が開ける事になる。

術後に「自分」が判らなくなる。
徐々に「自分ではない」人間に脳を侵食されていく恐怖。
愛した女性が愛せなくなってきたり、愛すはずのない女性に惹かれ、感情が抑えられなくなっていく・・凶暴になっていく「自分」が抑えられなくなっていく。

そんな中、彼は自分の脳のドナー正体を知ることとなる。

怖い、怖いです、この話は。
見えない恐怖っていうのもあるのですが・・・「自分」の脳が
移植された脳に侵されていく事は凄まじい恐怖です。
自分なのに自分ではなくなっていくし、見た目は「自分」そのままなのだから、周りの人達は「自分」に対して接してくる。でも日にちが経つにつれ、自分が消えていってしまう・・・
厭だなぁぁぁ・・・本当「怖い」話です。



以下、ネタバレです。ご注意ください。

脳移植で奇跡的に助かった当初は「良かったねぇ」と一安心したのですが・・・・
そのあとが もー・・・・厭だぁぁkao06
優しく、純情な青年だっただけに可哀相度倍(おい)
特に恋人が・・・愛が可哀相です。
確かに愛している女性がそこに居て、自分を愛してくれているのに・・そして自分も愛しているのに、段々愛せなくなっていくのです。切ないです。
恋人も可哀相ですが、勿論主人公も可哀相です。
侵食していくドナー、邪魔!!(爆)

どちらも不本意ながら「移植し」「移植された」訳ですがね・・・
ドナーもそれなりに惨めな人生を歩んできていて、完全なる悪人ではありませんがね・・・でも悪人に近いよなぁ汗あせ
ドナーの人間は物語半ばで殆ど判ってきます。察しがつきますよ、うん。

一番酷い人間は病院の人達かなぁ・・・
確かに人命救助は素晴らしいですよ。
でも段々主人公の脳がドナーに侵されていくと薄々感づいているのにまるでモルモットを観察しているかの様に接するんですよね。一番冷酷でしょう。
あんな風に接するなよ・・・善人にも悪人にもさぁー・・・
せめてあの女の人がもっと「ドナー人格になっている時の成瀬」に対しての態度が人情・愛情に満ちていたら別の結果になっていたのではないかと思ったのですが・・・無理なんでしょうかねぇ。
結局殺されてしまったし。

怖いんですよね・・自分なのに他人になるなんて・・・
結局成瀬は「あの時」殺されてしまったのだと思いました。
命が助かっても、「自分」でなくなってしまうなら・・・殺されたのだな、と。
あの時頭撃ちぬかれて、あの瞬間に死んでしまったと思いました。


ラストは泣きそうになってしまいました。
嘗て愛した彼女が離れ、戻ってきます。深い愛の故に。
この彼女は非常に素晴らしい人ですね。
事故がなかったら末永く幸せな結婚生活を送っていただろう・・・。

成瀬がドナーに侵されながらも必死に彼を支えます。
殴られても、髪の毛を引っ張られても離れません。凄いです。
そんな彼女と暮らして、ひと時戻ってきた 「成瀬」 。
その時の言葉

  君を愛したことを忘れない

確かそんな事を言いました。
涙が出ます。
本当に愛していた。愛されていたのだと感じました。
その言葉を最愛の彼女に残し、彼は脳を打ち抜いて死んでしまう。
あああぁぁぁぁ・・・・
切な過ぎる。
この言葉は胸を打たれました。
暗く澱んだ「変身」の世界で、輝く差し込んだ光明のようでした。
最後の最期で、彼はこの言葉を伝えたのです。
これが本当に救いでした。
これを聴いた時流れた彼女の涙は透き通っていた!!綺麗だった!!

「君を愛したことを忘れない」
物凄く深い愛を感じました。
「君をずっと愛している」とか「君の事を忘れない」よりも感動的でしょう。

 君を 愛したこと

絶対に忘れない彼の心なのですね。
彼女が愛してくれた事とか受態的ではなく、自分が「愛していたこと」を最期に彼女へただ伝えたかったのだ、と思いました。

この言葉だけで「変身」は読む価値がありますね。
本当に感動しました。可哀相ですけどね・・・・;
スポンサーサイト
Posted at 23:36 | 東野圭吾 | COM(0) | TB(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。