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2010.03.28

夢幻巡礼

神麻嗣子シリーズ『夢幻巡礼』読了ー。

夢幻巡礼 (講談社文庫)夢幻巡礼 (講談社文庫)
(2004/10/15)
西澤 保彦

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読み終わってまず思ったのが
「なんじゃこれ~これで終わりかい」
という事です(爆)
いつもの様に神麻嗣子ちゃんの笑える超能力ミステリーかと思いきや、連続殺人犯の独白かい!!
それもその筈・・・この『夢幻巡礼』はどうやら神麻嗣子シリーズ番外編である上に
欠かせないエピソード話の様だ。
なにしろ此処で登場する人物が神麻嗣子の最後の敵になるんだか何とか・・・自分もよく判りませんけどね;
最後の「敵」ってどういう事や?と思いましたけどね・・これから因縁めいた事でも起こっていくのでしょうか。
金○一少年の地獄の傀儡子みたいに?
京極夏彦氏から言うと京極堂と堂島みたいに?
う~ん・・何だかモヤモヤした嫌な予感です。


番外編であるが故か、この作品は非常にダークな雰囲気に包まれています。
いつもの神麻嗣子シリーズだと思って読み進めていた自分には苦痛でしたね。
何しろ主人公は警察官であり、連続殺人犯である奈倉渉。そして能解警部の部下です。(ここで神麻嗣子シリーズとの関連性が判りますね。)

彼の元に突然かかってきた電話---それは10年前失踪したリュウからのものだった。彼は丁度10年前、連続殺人事件舞台である別荘から忽然と姿を消していたのだ---しかも前日にその失踪を予言するかのような言動を残して---
今からその別荘に来て欲しいという"リュウ"からの依頼で奈倉は慌てて出発する。
その同行を依頼した相手が何と能解警部なのだ。
10年前に起こった連続殺人事件の詳細と能解警部がどんな役割を担うのか?
それを独白していくストーリー。

神麻嗣子ちゃんと保科さんは殆ど出てきておりません。専ら奈倉視点で話は進むのでいつものシリーズと期待している方には
退屈かもしれません(自分も含め;)
能解警部は比較的多く登場しますが、ゲスト出演程度のもの。しかし重要な人物でもあるのですが・・・

自分は神麻嗣子シリーズとして読んでしまったので、一つのミステリー小説として冷静な目で見ることが出来ませんでした;
よって面白いかつまらないかは言えないですよねー。
ただ、只管暗くて重い雰囲気なのは間違いありません。何しろこの奈倉渉は殺人をゲームとして楽しむサイコキラーであり、何故彼が連続殺人犯になったのかという原因を語っていく話でもあるからです。
中心に取上げられているのは"母親の異常愛"とも言うべきでしょうか・・母から与えられる"抑圧" "束縛" "洗脳"・・
それらが息子である奈倉渉の精神を追い込み、蝕んでいく。自分の息子は自分のモノだから、息子の好みも進路も未来も全て自分で管理する---母親のそんな思い込みを成人となった奈倉渉は冷静に分析し、また父親との関連性を見出しながら独白していくのです。
父親の繰り返される不倫や殺人事件、そして母親の狂気・・・そんな環境下大学へ進学した奈倉は運命的な出会いをする。
一人はあの能解警部(もちろん当時は学生ですが)と、奇女"さやか"。
この二人は奈倉にとって運命を左右するほどの人物です。特にこの"さやか"と出会ってからの奈倉は転げ落ちていくかの様に狂気に駆られていく印象。それまでも狂気じみてますけどね;
重苦しい雰囲気の中、この話はどういった結末を迎えるのか・・
何とも不気味で後味悪すぎる話です。
でも、これが繋がっていくんでしょうなー・・・。









以下はネタバレです。









結構怖い話でした。
最後のシーンも言葉も不気味で嫌な予感しかしない(爆)
母親の異常な束縛によって歪んでしまった奈倉渉の半生だった訳ですが、ここまで歪んでしまうのかー?という位のサイコキラーっぷり。これは母親だけでなく父親も関係している様ですけどね。
とっかえひっかえで結婚、愛人、離婚を繰り返す、息子には抑圧的な物言いしかしない。最悪だ・・しかも自分がどれだけ悪いのか自覚もしていないんでしょうなぁ。
こんな親を目のあたりにしたら殴りたくなりますね。子供は小さい頃ってどうしても両親から逃れられない。
両親がどれだけ子供に影響を与えるかもっと自覚するべき!!

虐待から始まり、モンスターペアレント・責任放棄などが社会問題となっていると同時に親馬鹿・マザコンなど社会問題までいかない親子関係が溢れている訳ですが・・・子供の教育ってかなり際どい部分が多いし、難しいもんですよね。
正しい教育何てものがあるか判りませんが、今回奈倉家の教育は明らかに間違った方向へ進んでしまった様ですね。
本人の自覚や責任もあるかと思いますが、やはり両親の影響大でしょう。

厄介なのは、そんな奈倉に目を付けられてしまった能解警部!!
思わず逃げろ~!と叫んでしまいます(爆)
能解警部の学生時代を見れたのは嬉しいのですが、当時はあまり目立たない存在だったようですね・・・でも奈倉だけは一目で彼女に目をつけた・・・目の付け所は良いのですが(おい)、彼女を「壊したい」って・・・;
能解警部は当時彼の思惑に気付いて・・・いないか、やはり。一種の警戒心は持っていたのかもしれませんが、せいぜい「怪しむ」程度の警戒心だったと思われます。大学で能解警部に出会い、魔の手が伸びるのをスライディングで制止した"さやか"。彼女もまた狂気に染められていましたね。
まぁ、あんな幼少時代を送っていたのだから無理もない。
制止したというよりも、奈倉の鬱憤が一時"さやか"に向ったという点であくまで防波堤的存在だったようですが。
そんな彼女は奈倉を取り込み、ついには殺人を依頼する。奈倉は言われたとおり殺人を犯す訳だが、依頼は"失敗"。
代わりに"さやか"は奈倉・弟リュウ・奈倉と儀姉妹を連れて別荘へと向う。
そこで"さやか"は殺された。
彼女が殺されたというのも驚いたが、実は自殺だったというのも驚いた。
そして犯行理由が自分の息子と結ばれたい為・・・・。
オイオイですね;奈倉母異常に危険。
自分が若い状態でタイムスリップし、成長した息子と結婚する・・その為成長期間中を補う女性が必要で・・・。
火サス顔負けのドロドロっぷり。変な女だとは思っていたけれどここまでとは思わなかった。血の繋がっていない弟・・・だが実は"さやか"の息子だったリュウが逃げるのも判るよ。
リュウは正常(?)な反応ですけど・・本当奈倉母も"さやか"も・・気持ち悪ッ!!!
息子に対して異常な愛はある意味変態ロリコン親父異常に気持ち悪い!!!
息子はただひたすら哀れ。
よく「マザコン」と聞くけれどあれは息子じゃなく母親に問題ありですね・・そう思いました。

最後の最期真相を解き明かした奈倉ですけれど・・・最悪の結末を迎えましたよね。自分が殺した女の母親を殺した。
その後は何やら保科&能解に危害を加えそうな気配・・・やばいよやばい!!!
逃げろー!特に能解警部逃げろー!!(爆)
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Posted at 21:51 | 西澤保彦 | COM(0) | TB(0) |
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