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2010.11.27

焦茶色のパステル

『焦茶色のパステル』
焦茶色のパステル (講談社文庫)焦茶色のパステル (講談社文庫)
(1984/08/08)
岡嶋 二人

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東北の牧場幕良牧場で、牧場長深町保夫と競馬評論家・大友隆一が射殺され、同様にサラブレッドの母子モンパレットとパステルも殺されていた。
突如として夫の死を知らされた大友香苗は
馬・競馬し関して全くの素人であり、夫の仕事に関しても
何も知らなかった。
何故二人と二頭の馬は殺されてしまったのか?
友人である綾部芙美子と共にその謎を追う。

語り手主人公は大友香苗であり、馬の事に関して何も
知らない彼女は読者の代わりに様々な疑問点を訊いている。
舞台は牧場であり、競馬や馬に関する事ばかり。
近年TVCMで競馬関連の宣伝が増えてきてはいたけれど
自分にとって興味範囲外だったので、本当に何も知らないまま読み進めた。
ダービーだの皐月杯だの聞いたことのある言葉が出てきて
説明してくれるので知識は増える。
意外と驚く事が多かったなぁ。詳しくはネタバレにて書きます・・・。

馬に始まり馬に終わる---という位馬が大きな役割を果たして
様々な"思惑"が交錯している事件。
最後に行くまで結構奥深いものがあり、ミステリーとして楽しめた。
幾つか事件が発生するのだけれどその一つ一つの伏線と
各々事件の経緯から結末までがスッキリ纏められていたので
混乱する事なく読み終えることが出来た。

夫は何故殺されたのか、芙美子と共に事件の背景を
調べていく香苗であったが
調べれば調べるほど疑問と疑惑が浮き上がってくる。
最初に浮かび上がった疑問が中盤で出る別の疑問に
よって打ち消されてしまうけれど、最後にその疑問が解ける
という部分も「なるほど!」と納得の展開。
ミステリーとして面白いと思いました。







以下はネタバレ。







最初に言ってしまうと、語り手である大友香苗は好きじゃ
ありません(爆)そして芙美子は大好き☆
こうなよなよっとした女性は嫌なんですよね~・・
居ても普通だと思うのですが、語り手として自分の
心境が語られるとき鬱陶しいというか・・・
語り手以外の人物としてなら別に普通、なのですが。
香苗は隆一と離婚を考えていた。
それは判ります!(爆)
いつも仕事しかしていなくて「言いたいことがあるなら言え」とか
「もういい、俺は仕事をしているんだ」という高慢で自分勝手な男・・・
きっとこういう人は何故妻が不満を持っているか判らないんでしょうねー・・いやだー。
そこまでは香苗に対し同情的でしたが
そのままの"妻"を演じている香苗が嫌でしたね。
"家の電話に出るのは女だと思っている隆一、
何故そうなのかはわからない---"(曖昧な記憶ですが;)
じゃなくて!!
だったら電話に出ないで隆一に取らせてみろよ!!そこで何で自分が取っちゃうかなー。
自ら甘えることはしないけれど、甘えさせてくれるのなら甘えますタイプというか・・どこか依存している感じ。
夫からあんな態度とられるなら一発ぐらいぶん殴れ!
芙美子だったら出会って30分で殴るぞ多分・・・
否きっと(爆)。

では事件の話に移りましょう。
牧場で殺された深町と大友隆一、そして神社で殺されていた
柿沼幸造を調べていく内に判った
馬の血統と汚職問題。
後半ではその汚職問題が元で三人は殺されてしまった
のだと思っていたけれど、実はその裏にまた血統が絡んでいた------
馬の血統がこんなにも重要で牧場の運命を握っているなんて知らなかったなぁー・・。
馬の売買について組織じみた汚職を抱えている為に
渦中の馬、パステルの血液を調べていた二人と汚職一味が殺された。
しかしそれだけではなく
実はパステルの父に大きな秘密があった。
それを隠すために三人の人間を殺したのだった。
二つの大きな事件に一人の殺人犯、という感じでしたね。
最初から真犯人が怪しかったので「あれ?こいつは無関係だったの?」と思っていたけれど
最後の最後でやっぱり犯人だった-----
根拠ない犯人疑惑だったけど(爆)
結構驚く点は芙美子が探偵役だった、というのも挙げられる。
面白い女性だけど聡明で行動力もありますね。
真犯人を追い詰める場面では香苗が余計な事を・・!!
芙美子の態度で何かあるな、という事は読者でも
判る事なのに・・ここでも香苗にイラッとしました。
動機としては競馬界を揺るがすある事実を隠すため
だったが故ですが、最期は悲劇的でした。

この作品で一番驚かされたのが前述もした
馬の血統についてですね。
自分は牧場で飼育されている馬は自由に仔馬を産む
ものだと思っていたのですが、実際は種馬と肌馬(繁殖牝馬)
が軸となって馬を増やしていたんですね。
極端に言うと、一つの牧場にいる馬達の父・母馬は一組しか居ない形。
優秀なオスと優秀なメスの元でしか仔馬は産まれない、と。
他にも脚を折った馬は処分される、とか・・・
驚きと同時に残酷だなぁと思いました。
馬の、人間による、人間の為の馬事情ですね。
馬は人間に走らされる為に、乗馬される為に、飼育されるために産まれた訳じゃない・・・
それは馬に限ったことではないけど、"人間勝手"な部分は減らしていったほうが良いと思うな。まぁ馬関連ド素人の意見ですけどね。
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Posted at 21:34 | 岡嶋 二人 | COM(0) | TB(0) |
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