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2013.06.16

折れた竜骨

米澤穂信氏『折れた竜骨』読了!

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信

商品詳細を見る


同氏は今まで『インシテミル』等読了済みで、現代ミステリー作家の
印象が強いが『折れた竜骨』は ばりばりのファンタジーであった。驚き。
魔術やら呪われた種族やらゴーレム様なものが存在する。
その中でも見事ミステリーを書いているのだからさらに驚いた。スゴイなー。
宮部みゆき氏の『ブレイブストーリー』の様に、現代とファンタジーの融合でもなく
生粋(?)のファンタジーなので、それを了承した上で手に取った方がいいだろう。

主人公はソロン領主の娘・アミーナ。
彼女は国を訪れてきた騎士、聖アンブロジウス病院兄弟団に所属するファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。
彼らはアミーナの父ローレント・エイルウィンに命の危険が迫っているので
警戒して欲しいと訴えてきた。
だが、その警告を受けたにもかかわらずローレント・エイルウィンは殺害されてしまう。
アミーナとファルク、ニコラは様々な調査を行い、ローレント・エイルウィン
殺害事件の真相を追うことになる。ここが、まさに"ミステリー"

そしてまたファルク・ニコラがソロンへとやってきた本来の目的であり
従属する聖アンブロジウス病院兄弟団の使命、「暗殺騎士殲滅命令」も
物語最大の軸となっている。
ローレント・エイルウィン殺害もその暗殺騎士という組織によるものと判り
魔術対魔術の戦いもある・・・このあたりは"ファンタジー"かな。
他にもソロンが持つ呪われた歴史やら、生前領主ローレント・エイルウィンが
雇っていた傭兵たちなどのストーリーも含まれ、それらがどう絡んでくるのかも
物語の見所かと思う。

地名や人物名がカタカナなのでやはり自分は中々・・覚えられなかった(爆)
特に傭兵たちやソロン従士達とか・・・傭兵たちはそれぞれ特性があるのに
間を置いて登場するとわかんなくなっちゃったなぁ・・。

全体としては・・自分の中でまぁまぁ面白かったという感想。
これだけのファンタジー世界でミステリーを書ききった,というのが
最大に良かった!
魔術やら魔法の道具やら存在するなかでローレント・エイルウィン殺害犯を
消去法で導き出すとは・・いやぁ、スゴイ。
前述した通り、物語はそれだけでなく他に"ファンタジーならでは"の戦いが
起こったり種族間の物語があったりと基盤がしっかり作られている印象を受けた。
ただこれは・・・これだけ要素詰め込んだから仕方ない・・?事もあるかも
しれないが、登場人物たちの魅力はそれ程強くない。
不快感を抱く人物は居なかったにせよ、"RPGゲーム"よやっているような
「それっぽい人格」の持ち主ばかり。解りにくいと思うが(^ ^;
主人公アミーナは領主の娘として立派であるし、聡明な女性だとわかる
ファルク・フィッツジョンは騎士の名に恥じない紳士たる、威厳もある男性。
従士ニコラは憎まれ口を叩きながらもファルクを慕うしっかりとした少年。
他人物も第一印象と説明だけで足りるような人格設定となっているので
癖は無いものばかり。
まぁだからこそファンタジー物語に集中できるし、むしろその解りやすさを
狙ったのかもしれない・・だとしたらいい意味で成功。

でもねぇ・・正直自分は『折れた竜骨』がしっくりこない。
突然出てきた言葉にしか思えないなぁ・・もっと他にあったんじゃないかなぁ・・。











以下はネタバレ。













ふぅー・・・これはネタバレというか、大まかなあらすじお登場人物関係を書くだけで長文になってしまいそうだ・・・。

ざっくり書こう(爆)

ミステリー要素中心であるローレント・エイルウィン殺害事件は
“走狗(ミニオン)”によって実行されていたと解る。
走狗とは魔術師によって操られた者の事で、走狗の意思に関係なくしかも
操られている間の記憶も消されてしまうという恐ろしい魔術だ。
走狗にはその者の新鮮な血さえ手に入れば掛けることが出来るらしい。
ファルクは暗殺騎士を追ってソロンまで来た。
自身自ら"処置"したお暗殺騎士はエドリック。ファルクとは兄弟である。
かつては自分と同じように暗殺騎士を追っていたが、その魔術に溺れ堕ちていった。
走狗を見つければその術を掛けた暗殺騎士とも繋がれる、という事で
ファルク・ニコラは殺害犯(この場合実行犯とも言う)を追っていく。
現代でいう科学捜査の一旦をファンタジー道具で代用している所は
結構面白かった(爆)
流石に指紋照合やDNA鑑定は出来ないが、足跡追跡や凶器に残った魔術の跡などは
道具である程度わかってしまうらしい。
この辺りも「わかりすぎる」「そこは魔術だから解ってしまう」という点を
逸脱しておらず、科学捜査よりも拙いので(苦笑)納得して読める。
そして物語終盤でファルクは事件の真相を解き明かす。
一方、ソロンの方で問題も起こっている"呪われたデーン人"。
ソロンの歴史上このデーン人とは因縁があるようで、いつともソロンを攻めてくるとは
解らない脅威である。
それがこのローレント・エイルウィン殺害事件調査真っ只中に起こってしまう。
ソロン海から三艘の幽霊船風な船が着岸、デーン人が一斉に市民へと襲い掛かった。
デーン人は「呪われた」と言われるように、永遠に死ぬことが出来ないし
腕を切られても、足が捥げてしまっても元通り再生できるし、痛みも感じない。
首を落とすしか倒す術がないし、切り落としても血は出ず紅い塵が飛び散るのみ。
力も強く不死身なので港はあっと言う間に死屍累々となる。
そこで登場したのがあの時雇った傭兵たちだ。
様々な手腕を発揮してデーン人を倒していく。
その中で大いに活躍したのが無口な女戦士・ハール・エンマ。
恐るべき力で敵をなぎ倒し、現れたデーン人の族長へ襲い掛かった。そのおかげで
デーン人は慌てて退却し、とりあえずの脅威は去った------
その闘いの最中ソロン城に投獄されていたデーン人 トーステンも現れる。
彼は殺害事件の直後牢獄から姿を消して容疑者の一人となるのだが
アミーナの危機を助けて現れるのだ。
彼もデーン人族長を倒しに来るのだが・・・デーン人の族長って人望ないねぇ。
彼もこの後居なくなってしまうけど・・・まぁ自分にとって彼はそんな重要
ではなかったし、あまり異存はない(爆)

一連の戦が終わった後は遂にファルクより殺害事件の真相が暴かれる。
この真相は人によっては驚くかもしれないなぁ。
自分はそうでもなかったけれど(負け惜しみじゃなくっ)犯人は消去法で
ハール・エンマだと判明。色めき立つ一同だったが、その後で"真実"が明らかになる。
エンマではなく、実行犯・走狗はファルクその人であった。
ファルクは自分でも気づいていたのだろう、自分をファルクではなく
実はエドリックであったと言い、ニコラに殺させてしまう。
走狗となった人物は長く生きられない・・事態を収めるためにニコラを頼った
ファルクはやはり騎士であったなぁ。
自分にとって驚いたのは暗殺騎士でありファルクを操ったエドリックが
死んでいたであろう、という事。
確かにそうでなければエドリックの弟子が捨身で出てこないだろうけど・・・
エドリックは本当に死んだのかな?
デーン人の因縁が続くことや最後アミーナとニコラが"折れた竜骨"をどこかで聞いたら来て欲しい、と約束をした事からも続編がありそうだけれど・・・。出るのかな?
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ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。 自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ...
「折れた竜骨」米澤穂信 (ミステリ・フロンティア) | 粋な提案 at 2013.11.08 16:00
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