FC2ブログ
--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013.09.22

冤罪

藤沢周平氏『冤罪』読了ー。
冤罪 (新潮文庫)冤罪 (新潮文庫)
(1982/09/28)
藤沢 周平

商品詳細を見る


藤沢周平氏のいつも通り(?)の時代物短編集です。今回も楽しく読めましたなー。

証拠人
佐分利七内は荘内藩の召し抱えを聞いて藩へとやってきた。
他集まった浪人達が次々吟味役に呼ばれ、姿を消していく。そして佐分利七内の番がやってきて自分の身分自身の件の腕前などを訊かれていく。その中で佐分利七内は自分の"売り"である関ヶ原の戦いの時の高名の覚え書きの事を話した。吟味役は「それが本当だという証拠を持ってくるように」と言い、その日は終わった。
佐分利七内は関ヶ原の唯一の証人である島田重太夫を探し歩き始めた。

唆す
神谷武太夫は筆作りの内職をしている・・・
妻の竜乃は夫の内職と自分のささやかな生活に不満を持っていたが、そのような不満はあまり口に出すべきではない、と思っていた。夫は百姓一揆を唆したという疑いがあった為、海坂藩を津法されたという噂を聞いていたが本当にそうだったのだろうか?
そんな中武太夫は強盗場まがいの「勤皇浪人」が出没しており、世話になっている遠州屋にも出没しているという話を聞いた。武太夫は数日間の遠州屋警護を引き受ける事となったのだが-----

潮田伝五郎置文
某地で潮田伝五郎が井沢勝弥を斬り、自決した。彼は置き文をしていた。
物語はこの"結末"から何故このような事態に陥ったのか、時系列を逆に戻して始まる。

密夫の顔
浅見七郎太は江戸の一年勤めを終え、帰ってきた。
そんな彼を待っていた妻・房乃が話があるという・・・離縁させて欲しいとの事だった。
驚いた七郎太であったが房乃は以前にも同じ申し出をした事があったので、「またか」という思いも抱いた。
だが今回は深刻な事態が起こったらしい「私、孕んでおります」

夜の城
御餌指人・守谷蔵太は五年ほど前に熱病を病んで、以前の記憶を一切失った。
だがある宴の日喜代と名乗る女が近「組に石神又五郎というのはいないか」というが、そんな人物は知らない守谷蔵太。そして別の日にも鳥羽屋という古手屋の男が妙な事を囁いて消えて行った。
でも自分には何の事だか分らない。きっと自分の過去に何かがあったのだろう-----
そんな時、妻である・・否妻と名乗っている三鄕にも妙な動きがあった。

臍曲がり新左
治部新左衛門は藩中の評判が良くない。
治部新左衛門が近所でも評判(?)のへそ曲がりだからである。
斬り合いがあるので急いで止めて欲しいと言われた新左衛門が駆けつけると、隣家の総領・犬飼平四郎が立ち向かっていた。
この平四郎は最近娘の葭江と親しく、態度もどこか軽薄で新左衛門は気に食わない。
そして娘葭江もそんな平四郎に対し好意を持っている態度なのが一層気に食わないのだ。

一顆の瓜
島田半九郎が友人久坂甚内と飲み別れた後本多相模の屋敷近くで人影を見た。
どうやら片方は女の様で半九郎は女を助けた。
怪我をしてしまったようなので家に連れて帰り介抱していると、女が油紙に包まれた書付けを持っていることを知る。彼女は一体何者なのか?
 
十四人目の男
一つ上の叔母・佐知に三度の縁談が舞い込んできた。
佐知はこれまで二度嫁に行って居たのだが、二度とも夫と死に別れており
自分はそういう宿命なのではないかと、今回の縁談にも乗り気ではなかった。
神保小一郎はそんな叔母を哀れに思っており、元気づけた。
相手藤堂帯刀に嫁いだ佐知であったが、突如悲劇が訪れる。
十三名の家臣及びその家族が突如斬罪の処分という事件が起こり、その中に藤堂帯刀もいたのだ。
当然妻である佐知も斬られてしまう。 小一郎はそれを知り----- 

冤罪
堀源治郎がいつものように坂の上に出て下を見下ろしていた。
しかし、今回は娘の姿を目にすることが出来ない----そう、源治郎は名も知らない娘を
目にするのを楽しみにしているのだ。
そしてその娘の家に何やら異変があると気づいた。戸が斜め十文字に木材で釘付けされている。
心配になった源治郎は少し娘の事を調べてみる----と、は明乃という名だと知り明乃の父・相良彦兵衛というのが藩の金を横領したとして切腹させられたというのだ。
ますます心配になった源治郎は明乃という娘の行方を探し始めた。

結構前に読んだものと、藤沢氏他作品との記憶が曖昧なので・・・
覚えている話だけネタバレです。すみません













以下はネタバレ。













唆す
神谷武太夫妻の竜乃の視点で語られる唆す。
特に大きな理由があるわけでもないが、日々の少しずつ積み重なった不満を募らせる。
何だかこういう夫婦って未だに多そうだし・・妙なリアル感がありますね。
・・・って、関係ないですね。失敬。
今回妻竜乃からの視点という所で神谷武太夫の「百姓一揆を唆した」という疑いが疑惑のままだ。
しかし、最期に神谷武太夫の視点へと切り替わり、今度もまた一揆を唆そうと目論んでいる
場面で話は終わる----読者はそのほの暗い未来を想像しながら卯木の話へと移っていく事となる。
何だか・・・百姓一揆唆す罪がどの位なのか、現代ではなかなか想像しにくい部分なのですが
不気味な雰囲気と竜乃への不安を残したのは流石藤沢氏という感じ(何)

潮田伝五郎置文
これは・・・本当に虚しいというか哀れと言うか・・・やるせない話でしたね。
潮田伝五郎は友人の姉広尾七重に幼いころから淡い恋心を抱いていた。
やがて時は流れ伝五郎も書体を持つようになったのだが、ふと七重と再会した。
心が揺れてしまう伝五郎はその心のまま七重と只ならぬ仲になった井沢勝弥に対し
敵意を抱き始めるのだ。ひょっとしたら七重は井沢勝弥にたぶらかされているのではないかと思い、彼に決闘状を申し込む・・・そして彼を討ち自らも腹を切った。
それを知った伝五郎の母親は七重に対し憎悪の目を向けるのだが・・・

七重はそんな伝五郎の気持ちも、自分への気持ち故に決闘したことも知らないのである。

伝五郎に対しても「特に記憶に残らない弟の友人」という記憶だけで
名前も碌に覚えていない・・・のに、自分と恋仲になった井沢勝弥は死んでしまった。
しかも潮田家の母親からは何故か憎しみの眼で見られる・・・そんな謂れはないと睨み返す七重。

う~ん・・・何とも・・・何だか誰も悪くないのに、悲しみと憎しみが生まれてしまった感じ・・。
悲劇なのは潮田伝五郎が七重にとって取るに足らない存在だったという所かな。
でもだからと言って伝五郎は気持ちを伝えていなかったし七重が悪いわけでもないし・・
かと言って伝五郎の母の気持ちも判るし・・・そして謂れのない憎しみを抱かれて
不満な七重の気持ちも判る・・・。あぁ悲劇。脱力してしまう悲しさである。
潮田伝五郎と井沢勝弥の死は・・・何だったのだろう、と。

密夫の顔
これはね、ハッキリむかついた部分がある!うん!
浅見七郎太は家に戻って早々離縁を申し込まれ、しかも自分のではない子を孕んでいると打ち明けられる。
話を読んでみると七郎太も以前不倫をしていたのだと言う・・・
なのにそんな妻の話を聞いたら彼女を殴り飛ばした・・・!なんて奴!
自分の時は「悪かったけど、まぁいいじゃん」みたいに思っていたくせに
妻の不貞には殴り飛ばすなんて・・・すっごいムカついた!!!
男は良くて女はダメなのかよ!自分も不倫したのなら後ろ暗くて殴れる訳ないだろーが!
しかも・・妻の不貞は不貞ではなくて、風邪で意識朦朧としていた所を襲われた故だった。
なんて可哀想な房乃・・・それで夫から殴られるなんてなぁ。
最期その真相を知って夫婦は仲直り(?)するのだが・・自分はまだムカつくぞ(爆)

岡は結末が曖昧なので・・・書くのは止めておきます。
けどどれも面白い話だったのは覚えているので、大丈夫です(何)



スポンサーサイト

この記事へのトラックバックURL
http://koukinnoran.blog32.fc2.com/tb.php/489-5810df2b
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。