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2013.08.11

白い蛇眠る島

三浦しをん氏『白い蛇眠る島』

白いへび眠る島白いへび眠る島
(2005/05/25)
三浦 しをん

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高校のお盆休みで久しぶりに故郷へ帰ってきた悟史。

彼の故郷は拝島と呼ばれ、荒神神社や白蛇様を祀ってあり様々な"しきたり"が残る島だ。

悟史は故郷であるはずのその島に対し妙な"違和感"を感じるというか・・何か居心地の悪さを感じており

今回の里帰りもあえて最低限の日数だけのスケジュールでやってきた。




同著で『神去なあなあ日常』も同じように山の奥地に住む人々の話だが

ほのぼのとしている神去シリーズとは違い、こちらは「不思議」が人間と"共存"している世界。

拝島の人々は至って普通だし長閑な雰囲気だが、ひとたび踏み込めばそこは神様や忌まわしき者が

忍び寄ってくる。

そしてこのお盆には13年に一度の大祭------

陰湿さや残酷さは見えないまでも

夏の夜ふと感じるひんやりとした冷気に身を竦ませられるような恐怖は確かに存在する、

そんな作品ではないかと。




拝島のしきたりの一つとして"持念兄弟"がある。

これは簡単に言うと義兄弟で、主に年齢の近い男の子等がなっている。

持念石という石を二人で分け合い、常に肌身離さず身に着けているという。

悟史にもおり、港で真っ先に悟史を迎えに来てくれた光市はとても仲の良い"持念兄弟"だ。

彼は両親を亡くし祖父と二人で暮らしている島民であり、幼い頃はいつも一緒に遊んでいた。




彼を始めとした島民達とのやりとり、実家の家族達やと色々交流をして

悟史も大祭への準備に駆り出されていく。

その中で島の中心である荒神神社と、その家族や島の伝説などが「不思議」雰囲気で綴られている。

そして大祭目前になり、島に"あれ"がやってきた-----

名を出すことも禁じられる「あれ」とは、島にとって忌まわしきものであり

気づくと、ふとそこまで忍び寄ってくる・・・

昔から悟史は「見える・聞こえる人」であり、島に居る間様々なものが見えていた。

そしてそれは「あれ」も例外ではなく、大祭前に見え隠れする「あれ」に警戒していたが・・・・




何だか似たような作品を何度か読んだ事あるような・・・

"しきたり""忌まわしき者""伝説"・・・大抵は辺鄙な場所である山奥だったり、この作品同様離島であったり

するのだが・・自然豊かな場所には霊験なるものも色濃いのですねー。

まぁ似たような作品であっても、この作品は面白かったです。

「不思議」雰囲気とうっすらとした「恐怖」。そして静謐で綺麗な青白い光を感じるような・・

まぁ、所謂、よかったです(爆)










以下はネタバレ。










ミステリー・・ではない(と思う)けどネタバレです。

謎なのは「あれ」が何なのか、拝島で祀られているものは何か、荒神神社の

信一と荒太の秘密は何なのか、そして犬丸って何者・・?

という所でしょうか。

でもトリックは何もなく、「不思議」モノが実在する世界観なので

神様だったり白蛇だったり背中に鱗が生えていたりしても、なんでもいいわけですね(爆)

悟史が最初風呂場で見た、金色の瞳を持つ黒い影・・・は、かつて島を出ていた人の仕業だったけれど

その他に存在する色々なモノは人外ばかりでしたねー。




大祭の最中に島の"封印"が解けてしまい 忌まわしきものが島の周囲を這い回り

ついには島の世界を「ひっくり返して」しまった。

元の島をもとに戻すため、悟史と光市、荒太と犬丸は懸命に島の包囲を元に戻す。

その最中n描き出される独特の世界観は・・・何とも言えば良いかな。

生暖かい濃厚な黒い気配の中に、持念石から放たれる静謐な光が差し込んでいくような・・・

うむむ・・難しい。

不気味で禍々しい筈の雰囲気だけれど、どこか暖かく清涼な空気をはらんでいるように感じる。

きっとそれは登場人物達の人柄にもよるのだろう。

何も「見えない」が悟史を支え、明るい光市の存在は大きいと感じた。

悟史はこの島に帰ってくるつもりはないと一貫していたけれど、彼の為に時折でいいから戻って欲しいな。

お正月に戻るらしいからとりあえず安心。

荒太や他の人たちも島を出ていく様だが、13年後の大祭にはまたみんな集まる気がする。
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