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2013.11.10

闇の傀儡師

藤沢周平氏『闇の傀儡師』読了ー
闇の傀儡師〈上〉 (文春文庫)闇の傀儡師〈上〉 (文春文庫)
(2011/01)
藤沢 周平

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闇の傀儡師〈下〉 (文春文庫)闇の傀儡師〈下〉 (文春文庫)
(2011/01)
藤沢 周平

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珍しく長編小説であるが、今回はとても楽しく読ませてもらいました!
読み終えてから知ったのだが、これらは半分史実・・・?というか実在した人物の登場と
その頃の情勢を投影しているので、史実と創作の混合かもしれない・・
まぁ、どちらにしても面白かったし(爆)史実と混合したとしても
巧みな絡みと登場人物達の魅力も兼ね備え、非常に満足できた作品。




流れをざっくり言うと・・・

八嶽党という謎の徒党を巡る伝奇小説。
自裁した駿河大納言忠長の一族で、徳川幕府に恨みを持つ組織だという。
彼らの悲願は、駿河大納言忠長の血筋の者を将軍にすることで、後継ぎ問題や
政治の局面で度々その存在が囁かれながらも、いまだに謎の多い暗躍組織。
主人公・鶴見源次郎は筆作りで生計を立て裏店に住んでいる。
しかし剣客としての腕は一流。だがその腕を職に使っているわけではなかった。
そんなある日、源次郎は夜道で偶然斬り合いを目撃する。
片方が立ち去り、残った男が瀕死の状態であったため源次郎が介抱した所
その男から包みを渡され、老中まつだいらに届けて欲しいと頼んで絶命してしまう。
源次郎は友人の細田民之丞に相談しまつだいらが松平右近将監武元という事を知った。
どうやら包みを持っていた男は公家隠密の一人であったらしく、情報を松平右近将監武元に
届ける途中襲われたらしい。
源次郎と民之丞は松平右近将監武元に会い、八嶽党という組織の存在と暗躍を知った二人は
その場で八嶽党の動きを一緒に探ってくれないかと頼まれた。

大筋としてはこんな感じで、源次郎側と八嶽党との闘いが描かれている。そしてその後・・
お上の後継ぎ、養子、臣従など様々な政治に絡んだ小説なので
人物や何をしているのか解らない部分もある・・老中って何してんだろ、とか(ぇ)。
しかも呼び名が変わったりするから・・わかりにくいて!
密談といい、公家隠密といい、暗殺といい・・
この時代から政治や幕府は魑魅魍魎としているもので、しかもほんの一部なのだろうから
今の政治だってどうんな事やら、ですね。
きっとマスコミに出される情報なんて真相の一部か、ねつ造なのだろうなぁとしみじみします。
まぁ・・でもこういう事が続いてきた"歴史"なら今更真実知った所で
なるようにしかならない、という事も感じますな。










以下はネタバレ










最初は公家隠密同士の闘い・・そしてその後は役目を終えた八嶽党狩りとの闘い・・
もう世継ぎが暗殺された時無関係となった源次郎だったが
黙って殺されていく八嶽党側を考えたのは流石!
利用するだけ利用して、仕事が終わったら殺されるなんて・・かつては敵だったとしても人の子
放ってはおけない、ですね。
しかも八嶽党にいたお芳は組織を裏切ってまで源次郎を助けてくれたのだから
その思いは一層強くなってしまうもの-----
役目が終わった後、次々に発見される八嶽党達の死体。
八嶽党の中に居て裏切りを行っている卑劣な剣客八木典膳と
八嶽党に居てかつては敵だった伊能甚内・・・様々な思惑が絡み合って
事態は一体どう落ち着くのだろうか・・・
読者としては何とか八嶽党に裏切り者がいると伝えて被害者を少なくしたい気持ちになるだろうが
証拠も根拠も薄い中、中々接触もできなくてもどかしい。
僅かながらも八嶽党の残党が故郷に帰れただろう、という事は良かったと思うが・・・
本当に卑怯な黒幕がのうのうとしているのは口惜しい・・。




あと欠かせないのは源次郎と津留。
源次郎の元妻織江の妹津留は源次郎が離縁したせいで姉が死んだと
源次郎を恨んでいたが、実は織江は源次郎の叔父由之助と不倫関係にあったのだtという事実を
源次郎から聞き、その後から独り身の源次郎の世話をするようになる。
その内源次郎に惹かれていってお互い夫婦への意識を募らせていくのだろうが
過程がとても温かくそれでいてお互いの心情を慮っているのがいいなぁ・・と感じた。
津留が八嶽党の一味に攫われて助ける場面や二人一緒にご飯を食べる場面など
「もう完璧夫婦じゃん」と思うが、源次郎は織江の事もあり津留に対し遠慮した態度をとっている・・。
最後の最後で叔父由之助から織江が実は情の多い女性だった、と聞いた後ようやく
肩の荷が下りたようになるのだが・・・織江がそういう女性でなかったらもっと時間が掛かっていただろうなぁ。
自分の中では姉織江の死の真相を聞く前から源次郎に惹かれていたのではないかなー・・という気もしているw
だから最初一人で「お恨み申し上げます」と言いに来たのだろうと・・・
そしてその後すぐ源次郎の世話をしに通い始められたのだろう・・・・考え過ぎかな・・(苦笑)
ともかく二人が幸せな夫婦になることを祈る。
津留と織江の父親は複雑だろうけども。
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