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2013.12.08

漆黒の霧の中で

藤沢氏彫師伊之助捕物覚えシリーズ第二弾『漆黒の霧の中で』読了ー。
第一弾は『消えた女』に続く続編。

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え― (新潮文庫)漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え― (新潮文庫)
(2012/01/06)
藤沢 周平

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前回の『消えた女』が面白かったので楽しみにしながら読みました。

伊之助は藤蔵という親分の元で彫師をしている。
元腕利きの岡っ引きという事で度々「仕事」を任され、本業の彫師の仕事を度々抜け出してしまう。
烈火の如く怒る親方の顔をすり抜けながら今回も何とか(爆)岡っ引き仕事を引き受けてる。

同じ組屋敷に住んでいた石塚宗平からある水死体男性の身元を調べて欲しいのだと頼まれる。
偶然にも伊之助はその水死体が引き上げられるところに出くわし、若い男性が死んでいる
所を目撃し軽く見聞をしていた伊之助はすぐに思い至った。
左耳の後ろに妙な刺し傷があり水を飲んでいないので殺されてから川に投げ込まれたらしい
その男は、経師屋の職人で七蔵というと調べがついた。
無口で目立たなく、憎まれるも好まれるも思い至らないほど影が薄かった七蔵は
これと言って殺される理由が思い至らない。
身元が判明したと思いきや、彼が金右衛門店の大家から聞いた限りで
その長屋に住む一年前から以前の事がわからないのだと言う。
これでは七蔵という名前さえ怪しく思えてきた石塚は、元岡っ引きの伊之助に
彼の素性を調べて欲しいと頼んできたのだ。
藤蔵親分の形相を思い浮かべながらも、岡っ引き気質が離れない伊之助は
その頼みを引き受ける事にした。

段々と七蔵の身元を調べてくる内、黒い影が忍び寄ってくる事件。
腕利きで柔術にも長けている伊之助でなければ深く踏み入る事さえできなかったであろう
重要な秘密が隠されていた------
今回もまた面白かったですねぃ。
現代の警察小説とは違う、科学捜査も検案もない時代人々への聞き込みと
僅かな人との繋がりで確実に黒幕へと迫っていく様は読み応え十分!

この時代は特に人と人とのつながりが濃かったものだから、目撃証言こそが
事件を調べる強い手がかりだったんですねー。
その名残で・・・・かは解らないが;今の刑事捜査でも聞き込みは大事にしているようですし・・
有力ながらも人間関係が希薄だからその効力も薄れつつあるのでしょう。
















以下はネタバレです。










七蔵という男はやはり後ろ暗い所を持つ男だったようだ。
七蔵は偽名、駿河屋で手代だった七之助という男で駿河屋の金を使い込み追い出されていたのである。
しかしそこで重要な証言を得る。七之助には女房がおりその女房も行方不明となっていると言う。
その調べの矢先同じく七之助を調べていた多三郎の手下・半次が同じ手口で殺される。
彼はたちの悪い脅しもやっているとの話で、そっちの線で殺されてしまった
とも考えられるが、海竜寺の近くで殺されたと言う点からも七之助と同じ線で殺されたことは明白だ。
と、いうのも海竜寺にいる易者に七之助が訪ねてきたという証言も得ていたのである。

そしてまた七之助の女房についても調べがついた。
おさきという評判の美人であった女房は駿河屋の先の旦那ではないかという噂がある。
というのもおさきは駿河屋で女中をしており、そのころから先の旦那と関係があったともいう。
昔七之助とおさきが住んでいたという場所を探し当て、そこで聞き込みをしてみると
ある日おさきが丸に八という半纏を来た男たちを手伝わせて引っ越しの準備をしていた。
しかしその後仕事から帰ってきた七之助は大慌てで女房の行方を捜していたのだと言う-----
つまりおさきの引っ越しは夫のあずかり知らぬ所で行われていた。
近所の女房達は大笑いしていたが、それを聞いた伊之助は丸に八という半纏という
新たな線に嫌な影が追加されていくのを感じる。

調べれば調べるほど海竜寺が臭いと感じていた伊之助は手がかりを得るため
夜、寺に忍び込む事にした。
確かにこの寺には数人の男たちと密談のような話声が聞こえてくる-----
こっそり抜け出そうとした伊之助に素早い影が襲いかかった。
からがら逃げた伊之助だが、その時寺にたどり着いた駕籠から駿河屋の旦那が出てくるのを目撃
さらにその傍に丸に八の半纏男!
全てが繋がっていると判明した伊之助はついに真相へ肉薄したと感じる。

駿河屋は丸子屋金を借りており、駿河屋は寺の坊主達を結託し
大奥の女中さえ巻き込んで借金を隠していたのだ。
七之助は駿河屋を脅していた男で、妻おさきの行方を探り出してしまう。
それ故易者の穂積の針で殺されてしまったのだ。

最後穂積の襲撃されながらも匠の柔術で倒した伊之助・・・ひとまず一件落着かなと。
一人の男の死体から浮かび上がった大店と寺の癒着、お金、痴情、そして今回は大奥。
大奥は僅かな繋がりであったけれど、この大奥で時代がいつなのか判りますね・・・
しかし、どの時代も寺と欲望-----変わらないもんだ。
悲しいけれど、これも世の常。




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