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2013.12.21

素行調査官

笹本稜平氏、素行調査官シリーズ第一弾『素行調査官』読了ー。

素行調査官 (光文社文庫)素行調査官 (光文社文庫)
(2011/08/10)
笹本 稜平

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越境捜査シリーズに続き新たなシリーズを読んでみました。
これまた警察小説になっており、主人公は警視庁監察係。警察の警察と呼ばれる係だ。

自分としては・・・「またこのテーマか」という感想(苦笑)
警察の中に蔓延る悪を白日の下に暴きだし、罰を与えようというストーリーのようだ。
何でしょうかね・・・同じ警察小説でも捜査に焦点を当てたり、ミステリー度に焦点を当てたり
犯人との心理戦に焦点を当てたりと・・警察小説の中でも色々違うものが描けると思うのですが
・・・あ、そうするとジャンルが「警察小説」じゃなくなるか。
でも笹本氏はあくまで警察の悪・闇を描き、「どれだけ警察官僚は汚いんだ」という点を
書いている・・・前にも言った通り作者は以前警察官僚に何かされたんだろうか・・

ざっくりとあらすじを

元探偵の本郷は、警視庁監察係。警官の不正や不品行を取り締まる、いわば警察の中の警察だ。旧友の伝手で裏口入庁した彼の初仕事は、公安刑事と中国人女性の不倫調査。ところが、女性の妹が殺害されたことから、捜査は思わぬ方向へ。背後に見え隠れする蛇頭と大物警察官僚。本郷と仲間は、警察内部の底知れぬ闇に迫れるのか?白熱する異色警察小説シリーズ第一弾。(by 内容book データベースより)

旧友入江の伝手で警視庁に入庁した本郷は、ある不倫調査から殺人事件・警察官僚の不正や陰謀
中国裏組織蛇頭との関わりなど様々な事件に関わり合いながら、それらの事件が一つに繋がっていくのを感じる。
視点は主人公の本郷と警視庁第一機動捜査隊、小松警部補二人の視点で進んでいく。
最初この小松がどう関わってくるのか分らないが、意外とすぐどういう立ち位置になってくるか
判り、二つの視点がどこで交錯するのか少しハラハラものだ。

事件の背景に大物警察の影があるだけに隠密行動を余儀なくされるが
元探偵という経験や探偵で培った伝手などが役に立ったり、警察官ならではの権力を感じたりと
ゆっくりであるがじわじわと事件の背景を調べていく。

全体の感想は・・・そうだなぁ、越境捜査シリーズに比べるとやや目劣りするというか・・じわじわ捜査を進めていくのもいいのだが、これは悪い方向でじわじわ・・という感じ。
読者からすると周りの情報が入ってくるので、という事があると思うのだが
どうもじれったさを感じてしまう。
事件関係者が居なくなってしまったり、事件の重要人物の行方も中々わからずじまいだし
張り込んでいたにも関わらず、張っていた対象者には大きな動きは無く逃げられたりと・・・。
そして本郷達隠密隊(笑)と違う殺人事件の捜査一課は一体何やってんの?という感じ。
殺人事件が起こったにも関わらずおざなりな捜査しかしていないにも程があるっていうか・・
ちゃんと捜査しているのは本郷達だけか?という位影が薄い・・・
捜査一課といえば殺人事件だけでなく、様々な犯罪捜査のプロ集団である。
上からの圧力があるにしろ無いにしろ、もっと捜査するべきじゃないかと言いたくなるし
主人公以外優秀な刑事は居ない、という風な描き方に感じた・・それは良くない。
シリーズ化されているというので次回作に期待しようかなと。















以下はネタバレ。















そもそもの発端は中国人女性葬麗華の殺人事件である。
そこに第一現着した小松が現場の傍で驚くべき大物の名刺を発見、そのまま自分で隠蔽して
しまった所から始まっている。
その大物とは警視庁警備局長、本田義久警視監である。
彼の権力を遣って自分からは雲の上の出来事だった昇進の確約を手にした小松は
殺人事件や本郷達の捜査の裏で様々な動きをする・・・これがまた鬱陶しい(爆)
彼がどんどん事件に食い込んでいくと共に深みに嵌っていくのもまた切ないというか・・。
一方本郷は相方北本と共に殺された葬麗華の姉・絢華を張り込む。
疑惑は不倫。相手は公安部外事二課中国担当主任、浅野とされているのだ。
そこに元々の依頼者(?)である入江も加わり不倫だけでなく殺人事件の捜査も進んでいく。
正直様々な要素が盛り込み過ぎて・・何が一番重要なのか解らなくなってくる(苦笑)
何だかんだで一番事件の真相に近いのは小松だったりもする------

絢華と公安部外事二課中国担当主任浅野との裏からも蛇頭という怪しげな組織も
浮かび上がってくるが、実際事件が終わってみてもこの組織に重大な意味は無い。
結局この組織は何じゃい、と思うのだが・・・これはこの後の作品に出てくるという事か?
そして絢華と蛇頭組織の人間たちは福建省出身という点からあらたに
重要人物が浮かび上がる陽洵南である。
この人物こそ葬麗華の殺人や絢華と蛇頭事件のキーとなってくるのだが
中々見つからないし、彼が日本に来ている目的も判らない。
さらにややこしい事に本郷の元探偵仲間である土居敏彦が
絢華の部屋に仕掛けられた盗聴器の根元をさがす捜査の途中、消息不明になったり
土居がどうやら陽洵南と知り合いだと分ったり・・何だか色々重複する(爆)
その時辺りから土居の娘沙緒里も加わり、陽洵南の捜索・事件の真相解明に進む。

結局のところ、事件の黒幕は本田義久警視監である。
彼と不倫していた葬麗華は本田に結婚を迫って口封じに殺された。
蛇頭の組織に情報を流していた口封じも兼ねてある・・・
そしてまた姉絢華もアメリカに逃げた所を組織の人間と共に殺害した。
というのも彼は本当に日本人ではなく、絢華と蛇頭組織の人間たち同様福建省出身で
陽洵南双子の兄弟だったのである。
彼は日本で警察官僚エリートコースを進んでいたが、警察内の対抗馬との争いや
不倫の果てに殺害-----そこを警部補である小松に知られて彼を取り込もうとしていた人物。
色々てんこもりの人物ですなぁ・・・

そして兄弟である陽洵南は実の所ただ兄弟に会いたいだけの思いで日本にやってきたが、
邪推した本田は陽洵南殺害を小松に依頼----。
だが幸いにもそれを察知した本郷達によって妨害され、陽洵南殺害は失敗に終わる。
追い詰められた小松は本田の元に走るが、結局そこで拳銃自殺をしてしまう・・・。
うーむ・・この部分は後味悪い。彼の家族は今後どうなっていくのだろうと考えましたな。

本郷達も遅れながら事件の真相を掴み、小松の意志も感じてか
手に入れた録音機で本田の悪事を全て暴いてやる、という所で終わる。
シリーズ作品という事で、本郷と土居の娘沙緒里との関係も気になる所だし
本郷を警視庁にいれた入江ともどう友情(?)が生まれるのかとか・・・
シリーズものへの期待はある

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