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2014.02.11

闇の喇叭

有栖川有栖氏『闇の喇叭』読了ー
有栖川氏の作品は久しぶりだな・・・火村と江神シリーズは現時点のもの読了済みだから・・
どうやらこれもシリーズものらしいですね。でも読み終わってから知りました。

闇の喇叭闇の喇叭
(2011/09/15)
有栖川 有栖

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第二次世界大戦後、日本は南北に分断され、北海道は<日ノ本共和国>として独立。日本国内では北のスパイが暗躍し、政府は警戒を強めていた。
――そして平世21年。私的探偵行為を禁止する法律が成立し、探偵狩りが行われている現代。
少女・空閑純は、かつて名探偵として名を馳せた両親に育てられたが、母親はある事件を追う最中に行方不明となっていた……。母の出身地である奧多岐野に父とともに移住し、帰りを待っていた純だったが、そこで発見された身元不明の他殺死体が、父子の日常を破壊する! 存在意義を否定された探偵に謎が牙を剥くとき、新たな物語が動き出す!! (内容紹介より)

現代日本が舞台ですが、やや創作が入り混じっているミステリー小説の模様。
戦争で北海道はロシアに占拠され、本島とは別扱いになっているようだ。
しかも北からスパイが入り込み本島を探りつつ、本島は本島で政治家にとって不利な情報を調べられないようにするため「民間での調査はするな」との裏事情から私立探偵が禁止されているという。

主人公は空閑純という高校生。
奧多岐野に父とふたりで住んでいるが出身は関西らしく、その辺りの設定は有栖川氏っぽい(爆)
方言も禁止されているこの日本、関西弁でしゃべるのは親子二人きりの時のみ。

さて、事件はその奧多岐野で起こる。
怪しい女性の目撃情報がぽつぽつ・・と出てきた頃、身元不明の男性死体が発見される。
着衣はなく、小さな町でよそ者は目立つはずが誰も彼を見ていない・・・果たして彼は何者なのか?何故殺されてしまったのか?そして事件と前後して目撃されている謎の女との関連はあるのか?
事件が起こり不安ながらも空閑純(ソラ)は元探偵であり"調律師"と異名を持つ父親と一緒に
隠密捜査を行う事となった・・・
一方町には本場警察から来た敏腕刑事の捜査も開始するのだが------

まず自分がいいな、と思ったのは「戦争の勝敗で今後の歴史がどう動くのか」の一例を
見事書いてくれたなー・・という事。
戦争・革命=革命 である。
確かに一歩間違えれば日本は占領され、植民地に近い生活を強いられていただろう、と思う。
そして過去からも現時代でも実際起こっているのだ・・これが戦争である。
実際沖縄地は一旦支配され、今も尚その支配下の影響が色濃く残っているし・・・。
北海道は今日本であるが、確かに戦争の流れによっては他国の占領下にされていても
何の不思議もない・・・否、日本どの場所でもそれは同じだろうな。
方言や私立探偵が禁止されている点からも「フィクションだよなー」と笑えるものではない・・
こんな子供じみた「法律」は色々な国でも実際にあるし・・笑えるながらもどこかリアルだ。

でもなぜ私立探偵限定・・?と頭はひねるけどね。
私立探偵はそこまで頭いい人ばかりではないだろうし(失礼)、しょせん民間だから
大きな権限も持っていないし・・それよりもフリージャーナリストの方が
社会への情報伝達量から鑑みて危険だと思うけどなぁ・・。


全体として・・自分ではこの『闇の喇叭』はあまり・・・であった。
有栖川氏の作品は色々読ませて頂きましたが、今までの作品・シリーズでも下に入っちゃうな
シリーズとして続いているようだけど自分はよっぽど本が無い時じゃないと読まないと思う。
ヤング向けだからかな、きっと、うん。(自己完結)
ミステリーとしては事件トリックも死体の謎も納得できて、スッキリした感じ。良かったです。








以下はネタバレ。












最初に「どうだろう・・」と思った所からネタバレですね。

まず主人公の空閑純やその友人たちがピッチピチの(死語)高校生で、著者がもう50代だからか・・・もしれないが、高校生らしからぬ人物像ばかりでリアリティが無い。
かと言って自分がどこまで高校生の生態(爆)を知っているのかと問われれば自信はないが・・。
言って居る事考えている事が事件の事や淡泊すぎていて
もっと「若いなー」と思える部分とか、みずみずしい部分があっても良いと思った。

あんなに「首を突っ込むな」と言っていたクセに言った本人である父親と事件の捜査をしてしまうのにも「お前、率先して首突っ込んでるじゃねーか」と突っ込みたい。
調べるのはここまでや、みたいなこと言っているし友達のお母さんが疑われているから
捜査に乗り出した、みたいな事言っているけど何だかんだで「探偵」を楽しんでいる印象がある。
しかも捜査をする事によってどんな事になるか想像してたんだろー・・・って、あぁ!案の定捕まってやんの。
親子二人の隠密探偵はしっかり警察にマークされていましたね。
しかも父親が"調律師"というのもバレてるし。
こうならない為に隠れていたんじゃないのかよ、って感じ。
父親なら友達の母親がどうなっても娘を守ろうとしないかな・・酷いかもしれないが所詮他人は他人だし
父親にとっては娘の友人・・しかも母親となったらよっぽど親密じゃない限り逮捕されるリスクは負わないと思うけど。実際捜査する事で自分は捕まり、娘は不幸な目に遭ったわけだ。
この辺りはご都合主義っぽいかなー。
元探偵であり、長年隠れて暮らしていた人間なら警察の情報量と捜査実績も熟知していなきゃいけないだろう。まだ高校生であるソラの暴走なら判るが、父親も一緒に何やってんだよ。
あ、父親が捕まって今後どうなっちゃうのー!と読者を焦らせるために「父親逮捕」の設定をねじこんだようにしか見えないんだよね・・・それを狙ってもいいけれど無理やり感出してはダメだと思う。
終盤でソラは一人になり友人たちにも黙って何処かへ行ってしまったようだが・・
この辺りもライトな作りかなー・・と。
続編で語られているかもしれないが未成年が保護者・身元引受人が居ないままはかなり厳しいでしょう。親代わりが居るのかな・・新しい住居も保証人が居ないとダメだし。
まぁ母親の所在もこのシリーズの要になっていそうですね。

事件は前述した通り、スッキリ解決しましたねー。
謎の女は身元不明だった男性の女装姿だった、っていうとは・・なるほどね!
近年女装はメディア中心に「当たり前」となってきているのに・・気づかなかったとは盲点だ!
しかも犯人はお前かー!車掌かー・・・あ、運転手?
殺害の動機も中々「身分」という背景がある動機で自分としては納得できた。


でも結局『闇の喇叭』ってタイトルは違和感が・・
夢の中の話だから闇はわかるが・・喇叭の意味は!?喇叭じゃなくてよくね!?
まぁこれも続編よめば解決するのかな・・?うぅむ。
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