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2014.01.13

波の塔‏

松本清帳氏『波の塔』読了。
少しずつ松本清帳氏作品消化中ですが・・・まだまだありますね(爆)

波の塔(上): 1波の塔(上): 1
(2012/09/20)
松本 清張

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波の塔 (下) (文春文庫)波の塔 (下) (文春文庫)
(1974/09/25)
松本 清張

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田沢輪香子は初めての一人旅で胸を躍らせていたがいざ旅行してみると、そこにはR省局長である父の
仕事関係者らしき人達が宿泊先に現れ甲斐甲斐しく輪香子の世話を焼き始める・・。
うんざりした輪香子は両親に伝えていないちょっとした
寄り道をし、やっと束の間の旅行気分を味わった。
と、その寄り道で爽やかな青年に出会う。
彼は遺跡であるという林中の洞穴に横たわっており
覗き込んだ輪香子を見て慌てて起き上ってきた。
驚いた輪香子であったが、彼はこういった遺跡をめぐる
気ままな一人旅をしているようで、怪しい人物ではなさそうだ。
その時軽く話をしてそのまま別れたが
輪香子は東京に帰った後、その青年と再び再会する事となる---
一方、その青年こと小野木喬夫は新米検事として同じく東京に戻ってきた。
忙しく働いている一方で彼の心には頼子の事を考える。
頼子は小野木が偶々言った観劇で隣に居合わせた女性である。
体調を崩してしまった様子の女性を介抱した事がきっかけで
その後度々逢瀬を重ねているのだが・・その実小野木は頼子がどんな場所に住んでいるか、結婚しているのではないか
等彼女の詳細は知らないままであった・・・。
何度か聞こうとしているのだがそのたび頼子ははぐらかして話そうとしない。
だが小野木はそのままの関係で頼子と会う。


ミステリー小説だと読み進めていたが・・
いつまで経っても事件が起きないので訝しんでいたら、
なんと「そういう」小説ではなかったようですね。
文庫で上下巻に分かれていたのに
上巻読み終わってもこれといった殺人も起きないし(爆)
では何小説か、と言われても判らないのでwiki先生に聞いてみると
「人妻と青年検事の恋愛とその行方を描く、著者の代表的長編恋愛ロマン。」との事。
読了後に「あ、そうだったんだ」と納得(遅)
確かになぁ・・ミステリーでもサスペンスでも人情ものでもないし
恋愛小説を読んでしまったのか!・・・と思ってもしっくりこない・・
「恋愛ロマン」か・・あぁ、そっちのほうがしっくりくるな(爆)
知らぬ間に恋愛ロマン長編小説を読んでいた・・松本氏=ミステリー
とは言えなかったんですね、アハハ。
と、まぁ結果として意に反するジャンルを読んでしまった訳だが
感想としては面白かった・・・う、う~ん・・面白いとまでは
感じなかったけど(ぇ)、最後まで読み切りましたー。
自分の中で恋愛ロマン小説は範疇外、だったのですが
思ったよりたいくつさを感じませんでしたな。これは松本清帳氏
文豪の力なのか・・はてさて。
先にあらすじを読んでいたら間違いなく手を出さなかったのだが
こうして思いがけなく読み切ったのは、ある意味ラッキーかも。
全くの新境地ならまだしも、好きな作家さんであればあらすじを読まず読み始めるのも手かなーと感じました。
正直、一番好きなジャンル・ミステリーより面白みを感じられない自分ですが
全く未知のジャンルを思いがけなく出会えたのはやはり嬉しいもの。
ちょいちょい納得のいかない事もありましたが・・・
まぁ読んでみるものだな、と上から目線の感想です(爆)










以下はネタバレ。













ミステリーではないけれど、物語の結末までの内容に触れるので
未読の方ご注意です。
最初田沢輪香子という女性の目線から始まるので
てっきり主人公かと思っていたのだが・・
主人公はどうやら結城頼子だったようですねー。
むしろ田沢輪香子はあまり意味が・・ケ゛フケ゛フ
『波の塔』は一言でいうと「不倫小説」
身も蓋もない言い方ですがね(苦笑)でも四文字にすると
間違っていないんじゃないかなー。
この小説は輪香子と小野木と頼子と頼子の夫康雄らの視点に変わり
進行していきます。終盤につれて結城夫婦の視点が増えていく形。
この物語は何だろう・・結局何がどうなったのかなぁと考えると
最終的に悲劇しか起こっていない気がする。
なんだかんだで不倫だし・・かと言って結城の夫も夫だしな。
所謂頼子は冷め切った夫婦関係に割り切りつつ過ごしていた・・
そこに爽やか青年と出会い、次第に惹かれあう・・なんてベタすぎて
ありきたりな設定だろう、と感じてしまうが
この小説が一皮剥けている(?)のは偏に頼子の人物像。
大抵こういった関係はぬるま湯に浸かっている事が多いが
頼子は自分からきっちりけじめを着けてきたのは違うかも、と感じた。
不倫というのは心のどこかで「楽しんでいる」節を感じることが多いが
小野木と頼子にそういった印象は無かった。
二人に肉体関係が無い(よね?ハズ)のと、二人一緒になるぞ!
ときっちり決めたわけもないのに夫に別れを切り出したのが大きい所か。
だからと言って良いものでもないが(爆)
頼子が夫や自分の事に関して隠し通す事、小野木は頼子に家庭が
あるかもしれないと感じつつ、別れるのが怖くて切り出せない所が決定的に悪い。
結果、頼子の夫康雄が検察に探りを入れられ小野木は頼子の家で
鉢合わせるという最悪な結果となった・・・
これはもうハッキリ言って自業自得。
自分の都合の悪い事は先送りにしてしまったツケである。
だが正直嫌な事を先送りにしてしまう事は自分でも
やるし、嫌な事を見ないふりしてしまう事も・・・ある。
しかしどんな結果であるにしろ、それを先送りにしていたのは自分なのだから
どんな結果でも受け止めるべきである。


それを「こんな事になろうとは・・」と悲劇ぶるな。じゃあどんな結果を"期待"していたんだ、という話。
ロミオ&ジュリエットみたいにお互いフリーな(爆)男女ならば
悲劇的展開もあるだろうが、不倫前提で考えていたのであれば
相手が何であっても・・それこそ神様でも悪魔であっても
同じ罪だと思うけどなぁ・・・・。
やはりそこには「バレなきゃいい」という欺瞞があるしそれはきっと
人間の性の様に根付いているから・・振り払える人こそ稀だろう。
差があるとするなら結城康雄のよう
妻を何年も放ったらかしにし自分は何人も愛人を作るという
駄目男であるかどうか、という点かと。
夫がそんな男なら妻が荒むのも無理はないし妻に男が出来ても仕方がないと思う。
だが妻頼子に男の影がチラついた瞬間コソコソ調べたり
陰険な事をしているのには辟易した。
冷静で端正な顔していても中身は皆同じだなぁ・・・・
自分は何日も家を空けて何人も愛人を作るのはいいが、自分の妻が
一人でも不倫をするのは許せない----本っ当ムカつく!
面と向かって詰るような事もないがやっている事は普通の嫉妬に満ちた男の姿。
そんなに頼子に対し執着があるなら初めから愛人など作らなきゃいいのに・・
最後に康雄が頼子を愛していたとか悟り頼子に話した小野木だけど
正直頼子もどこかで「今更そんな事言ってもなー・・じゃああの仕打ちは何だよ」
とか思っているに違いない!(爆)




そして最終的に結城康雄は収監されて
関わったR省局長輪香子の父も捕まることになった・・・。
結城康雄を担当している検察つまり小野木が結城頼子と
関係があることまで公になり、当然のごとく小野木は検察を去った。
その後頼子と康雄はきっちり別れをし、職を解いた小野木と共に
慎ましく暮らしていくのだろうと思いきや・・・!
ちょ・・・頼子、何してんだよ!?
小野木と駅で待ち合わせていた頼子は小野木を残し一人向かっていく・・
その先は樹海の森。頼子は地元の人の注意に関わらず一人で樹海の奥へと
消えていった。
う、う~ん・・まさかこんな結末になるとはね。
もう全てが収まる所に収まったのだから、後は小野木と頼子が一緒になればいい
と思っていたのに頼子は何考えているんだろう。これは不可解也。
やはり罪の意識に苛まれての事だろうか・・?
小野木は職も失い、東京から去ることとなり
一からスタートとなるハメになったが、唯一愛する頼子が支えになる
所だったのになぁ・・この後小野木がどういう事になるのか想像していないのか。
頼子が向かう樹海も唐突に現れた気がするし。
しかもあとがきではこの時代以降に樹海での自殺者が増えた云々も
書かれていたのだが、本当かな。
輪香子も一体何の為の登場?父が捕まっただけで物語の主旨に
関わってこないし・・何故彼女を主要人物っぽく登場させたのかも
不可解也。
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