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2014.03.15

白き瓶

藤沢周平氏、長編作品『白き瓶』読了ー。
時代モノかと思いきや・・・ちょっと違いましたね。かと言ってミステリーでもなく
歌人、長塚節氏の生涯小説でしたぃ。
てっきりまた時代モノの人情or剣客ものかと思ってたので最初「あれ?」と思っていて
読むの止めようかなーと思ってしまいましたが、結局読み終えてしまいました。

白き瓶―小説長塚節 (文春文庫)白き瓶―小説長塚節 (文春文庫)
(2010/05/07)
藤沢 周平

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歌人長塚節氏は実在の人物なのですが、勿論自分は知りませんでした!(爆)
最初は架空の物語として読んでいたのですが、有名な人物の名前が出てきたので
「あ、これひょっとして実在の人物の話なのか」と気づく始末・・・
きっと歌人として有名な人だったのでしょうがねー・・自分は全く縁がなかったもので
でも、あの人の名前は知っていました!

正岡子規

長塚節氏はどうやらあの正岡子規の弟子であるようなのです。うーん、本当に知らなかった
なので、以下文章は長塚氏の情報は何も知らず、あくまで『白き瓶』を読んだ感想としてみて下さい。

元々身体が弱かった長塚氏は畑仕事を率先して行ったり、自ら身体を鍛えていた。
そしてある日正岡子規の作品に感銘を受け、彼の弟子となった。そして長塚氏には伊藤左千夫という親友が居て、彼も正岡子規の弟子であり歌人であった。そして彼はすぐ他人の作品を批評したり喧嘩をしてしまう人物だが、時折誰も気づけないけれど、的確な鋭い批評を突いてくる人物でもあったのだ。
正岡子規三周忌の時も同じ歌人である三井甲之氏と短歌の議論から不和となっていく-----
その時から長塚氏は左千夫から「自分をとるか、三井をとるか」等と詰問され、うんざりしてしまう。
そんな事もあってか、段々長塚氏と左千夫の距離も開いて行ってしまうのだが、左千夫は自分のそういった性格が長塚を遠ざけているとは思っていない模様。
だが二人は歌人として"アララギ"を創刊するという目的で結びついているし、家族ぐるみの付き合いも細々と続いていく。
歌人達の生涯、という事で小説内にはたくさんの歌が記載されていて、長塚氏がどのような体験をしたかによって様々な彩を変えていく。
正直自分は歌に対してド素人もド素人なので(爆)全くわからない!
長塚氏が歌を出しては周囲の評価や自己からも評価していくのだが、「今回は本当に良かった」とか「今回は良くなかった」と言われていて「あ、そうなんだ。今回は良かったんだ」位の事しか読み取れない・・あああぁぁぁ
歌や俳句など・・本当に分らない人間なので、その歌を詠んだ事に対しての感動が全く感じられないのが悲しい
きっと歌が大好きでちょっとでも造詣のある人なら、この作品の感想が奥深い事になっているだろう。

自分はあくまで「長塚氏の人生」としての目線だけしかなく、興味を惹かれるのはその人間性や周囲の人たちとのかかわり合いである。
その中で注目するのが左千夫と黒田てる子という女性。
左千夫は前述した通り親友だが、黒田てる子という女性は長塚氏にとって妻になる・・・筈だった女性だ。
今まで女性と深い仲になったり、恋仲になった事も無い(らしい?)長塚氏にとって心穏やかになる部分。
お見合いで出会う事になったのだが、長塚氏の体調や家庭環境の理由から黒田家の反対に遭い、破談となる。
そしてまた長塚氏自身も自分が病弱な為彼女を引きずり込むのは酷だろうと離れていくのだ。

しかし黒田てる子は長塚氏の病院に度々訪れたり、手紙をやりとりするなど健気な部分を見せる。
今と違って当時は女性の自由や恋愛は「家族」と密接な繋がりがあるし、一人で男性に会いに行くのも
現在よりずっと難しい"環境"にあっただろう。
でも彼女は長塚氏を一途に思い、そんな彼女を見た長塚氏も彼女に愛の歌を詠んだりした。

"アララギ"の創刊も近づいてきたが、以前より懸念していた長塚氏の病状が次第に悪化していく-----
その経過が何とも・・・
何とか身体を持ちなおそうと色々な病院や医師の元を回り当時として最先端の治療も施すのだが
無情にもその症状は進んでいくばかり。
後半ではもう長塚氏は常に微熱が続き震える身体と衰弱してく身体ばかりで
見えない巨大なものが静かに・・そして確実に覆いかぶさってくる・・・そんな悲しさが描かれていますね。

最期は37歳という若さで亡くなった長塚氏-----
かれは歌のほかに短編小説と『土』という長編小説を遺して逝きました。
読み終えた後は何とも感傷的に切なくなりました。
小説でたくさんの資料を参考に描かれたのですが、やはり彼が最期どんな思いで、どんな意志を持っていたのか感じ取ることはできませんね・・・。歌によって表現されていたのかも判りませんが、自分には読み取れないし(爆)

ただ・・・どうだったのかな。
37歳という若さもあってか------やはり哀しい、哀しい思いだったのかなと感じました。







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