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2014.09.20

夜鷹殺し

まろほし六作品目『夜鷹殺し』読了。

夜鷹殺し―まろほし銀次捕物帳 (徳間文庫)夜鷹殺し―まろほし銀次捕物帳 (徳間文庫)
(2006/05)
鳥羽 亮

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まろほしも早(?)六作目かー・・・あっという間に読み進めてしまいますね。本が薄・・・ゲホゲホ。
今回は連作短編集になっており、各々一つの事件を解決していく構成となっている。
登場人物は今までお馴染みなので、やはり今までの作品を読んでから手に取った方が良いだろう。

夜鷹殺し
袈裟懸けに斬られた夜鷹の死体が発見された。
その死骸から十日前、おまさという料理女中と同じ下手人かと思われた。
銀次はまず殺された夜鷹・登勢の夫の身辺から洗い始めた。

神田川怨霊
神田川で刃物の傷がある女の死骸が発見された。相模屋のお内儀お繁である。
夫の長兵衛が怪しいと睨んだ銀次は事件時長兵衛の居所を調べ始める。その時長兵衛は柳橋の料理屋に居たと判ったのだが、一度も店を出なかったという証言も得る。

銀簪の女
無頼牢インである堀田安之助が首の盆に簪を刺され殺されていた。
事件の夜男と女の言い争う声が聞こえたと証言があり、岡っ引き達は女の行方を追う事に。

化け狐
銀次とおきみと同じように幼馴染みが首を括って死んでしまう。
どうやら店の金五十両を使い込んだため、それを苦に死んでしまったらしいのだが・・音吉の母お峰も後を追うように首を吊ってしまう。その葬儀の時、どうやら音吉が女と一緒にいたという話を聞く。

髑髏の顔
曾我屋の土蔵から男女のものと思われる白骨(髑髏)二体が発見された。
二年前曾我屋久兵衛とおもんが駆け落ちし、五百両のお金も消えていたという事も判明しこの死体は二人ではないかと思われたのだが・・・

身代わり
湯島天神の近くで船の房次郎が殺されていた。
死体に木屑が付いている所から、与三郎は七年前の事件と似ていると話し出した。
七年前、三人連続で木屑のついた死体が発見され金目のものが抜かれていたらしい。しかし、その下手人は二年前に死んでいるのだという。

銀次や手下の松吉、親爺代から働いている与三郎などが様々調べて、足を使い、張り込みを繰り返してどんどん事件の真相へ迫っていく作品集だ。
各々短く、読みきりなので休憩がてら気軽に読めるのではないかと思う。
でもまぁ・・内容は殺人ばかりの血みどろなものなので休憩という気持ちでは無理かな(苦笑)









以下はネタバレ。








夜鷹殺し
これは・・・何とも身勝手で許せない事件でしたねぇ。
夜鷹が袈裟懸けに殺される、という珍しい事件だけに、周辺から洗い出した銀次達はすぐ怪しい臭いを感じ取る。
最初の被害者、おまさには与之助という男が居たのだが、その与之助には最近大野屋という大店の娘に惚れられていたらしく、夜鷹登勢の夫片山達之助にも町医者の娘と一緒になるという話が持ち上がっていた・・・。
同じ境遇の二人に繋がりを感じた銀次は片山と与之助が甚助店で繋がっていると判り、二人を斬った武士もそこにやってくるだろうと踏んだ。
登勢と仲が良かったおもんの協力を得てあぶり出し作戦を決行。思った通りおもんを襲うように武士稲垣が現れた。
いつも通り向井藤三郎の助けを借りて、何とか稲垣を捕縛した。

やはり片山と与三郎がお互い邪魔になった女を始末しようと稲垣に頼んでいたらしい。
・・・何ともムカツク・・胸糞悪い男たちですね。
今まで思いを寄せていた女を新しい女が出来た途端始末するなんて・・・最低な男とはこの事。
斬った男も捕まえたが・・・心は晴れない事件でしたね。

神田川怨霊
殺されたお繁の夫長兵衛は事件当時柳橋にいたというアリバイがあったが、聞き込みで女中のお浜とできているという証言を聞く。そのお浜に話を聞いてみると事件時お参りに行っていたと言うらしい。
銀次達は当時長兵衛が居たとされる座敷を調べ、二階から降りられると判った。
いよいよ長兵衛が怪しい、となった矢先長兵衛が首を吊って死んでしまう。
さらに調べると、相模屋の先代の弟平蔵が店を乗っ取ろうとしてお繁と長兵衛を殺していたのだ。

何だか・・長兵衛に目を向けている中でヒョコっと出てきた平蔵、なイメージ(爆)
まぁ長兵衛も潔癖な身ではなかったようだけども・・お繁が一番哀れだな。

銀簪の女
女の行方を追う一方、銀次達は簪についても調べていた。
簪は亀と鶴があるらしく、まず銀次は鶴の持ち主であるお鶴を訪ねた。山菱屋で簪を無くしてしまったというお鶴。そしてお鶴は近々祝言を挙げる予定なのだが、堀田に付きまとわれていたらしいのだ。
そして堀田の長屋に簪を挿した若い女が来ていた、という証言も得る。
その事で亀の簪の持ち主を改めて調べ始める。
すると山菱屋の主人伊左衛門にはお鶴と同い年になる娘がいるのだと打ち明けた。きっと亀の簪の持ち主はその娘だと確信した銀次はお鶴に襲いかかってくる所を待ち伏せ、捕まえた。
どうやら店を乗っ取ろうとした番頭・茂蔵と共謀し、お鶴を襲ったらしいのだ。

簪による簪がつなげた事件でしたね。
店を乗っ取ろうとした番頭も悪いですが、そもそも伊左衛門が隠し子を持ったのが悪い
隠し子となったおよしだって「私だって女将さんになれたのに」と思えるのも当然だしなーとか思う。
何だかんだで堀田はあまり重要な人物ではなかったようだねーついで、みたいな扱い(爆)

化け狐
幼馴染である音吉と母親が亡くなってしまった。
銀次は一年前吉之助という若者が喉を一突きで自害した事件と似ていると考え、音吉と一緒にいたという女の事を調べることにした。
すると現場に近い菊屋にお雪という人気者がいると聞いた。同じ店で働いているお島から聞き、音吉の女はお雪ではないかと見当をつけて菊屋に通い始めた。
その後もまた泉屋の手代駒造も似た境遇で身投げをしてしまう。
だがお雪には病重い父親もいるし、とても男を誑かす女の気配はない。
実はお雪は隠れ蓑で昔お雪にフラれた山崎と菊屋のお島と組んで美人局をやっていたのだ。
銀次はお雪の振りをして銀次を呼び出し、夫の振りをした山崎を遣って脅しをした場面で二人を捕縛した。

うーん・・・これはまた・・・・
悲劇の男たち、となっているかもしれませんが結構間抜けな話ではありますね。
お雪に懸想して呼び出しに付いていくのは解るけども・・・いざ二人きりになると舞い上がって相手が入れ替わっていることに気づかないなんて、女の上辺だけ見ている事の裏返しでもあるし・・・
まさか夫がいるなんて知らなかった、と正直に周囲に言えば自殺まですることなかったんじゃないか・・
って、それはいざそういった場面に直面したことのない人間だから言えるのか(爆)
いざ脅されたら周囲が見えなくなって追い詰められてしまうもんだしなぁ・・う~ん・・・
でもお島は嫉妬8、お金2位の割合で犯行に及んでいたんでしょうね。
同じ店で同じ仕事なのに周囲の男たちはお雪のほうばかりのぼせ上がる・・・お島だけを思ってくれる男が一人でもいれば、彼女もこんな美人局をやらなかっただろうと思う。山崎も結局お雪だったしね。
でもまぁお島もちょっと可哀想だが、一番の被害者は知らぬばかりのお雪かも(汗)

髑髏の顔
これはまた・・・時代物ならでは、の事件でしたね。
何故ならば、この時代に科学捜査がないからだ!
いくら白骨化したとは言え、今は様々な鑑定や検視があるので白骨が誰のものか判ってしまう(多分)のだが、この時代はそういった捜査が全くできないので・・時代物だなーと。
そして死体は久兵衛とおもんと思い、調べ始める銀次達はその後の曾我屋には女房のお里と番頭盛助が残されたのだと調べる。
今二人は一緒に瀬戸物屋を営んでいた。
次に銀次はおもんが働いていた梅田屋に行ってみたが、店は閉まり店の主人であったお京も実家に戻ったらしいと聞く。
品川で夫島造(長次郎だっけ?)と一緒に働いていたお京からも話を聞いてみた。
そしてその三日後、お里と盛助が姿を消してしまう。
二人は久兵衛とおもんを殺したのではないか、という嫌疑が濃くなっておりその危険から姿を消してしまったようなのだが、こっそり銀次の前に現れ「自分たちはやっていない」と訴えた。さらに盛助は久兵衛に似た男を目撃したと言う。
これはどういう事だと調べると、どうやら久兵衛の特徴がお京の夫島造(長次郎だっけ?)と同じであり
彼ら二人が五百両を盗み、店を建てていたことが分かった。
土蔵の白骨死体はお京の夫島造とおもんだったのだ。

何とも巧妙な陰謀でしたね・・・
店の主人と女が居なくなり、残った女房と番頭が一緒に別の店を始めたら周囲は二人が怪しいと睨む・・・そこをかいくぐって見事殺人と窃盗をやり遂げるとは・・・
何とか無実の二人がささやかな幸せを続けられたことが救いであったな。危なかった。

身代わり
七年前の連続殺人と酷似している事から、当時下手人を追い詰めた岡っ引きの庄蔵に話を聞きに行った銀次は「下手人である長兵衛はあの時確実に死んだ」と聞いた。同時に長兵衛には重吉という倅もいたとも聞く。
半月後には同じ手口で千右衛門が殺された。
殺される前千右衛門に27,8位の若い男が話しかけていたという証言を得た銀次はそいつが重吉だと考えた。
だが実は殺された房次郎が重吉であり、彼は昔父が殺した家族に恨まれていたのだとも判明。
病弱な母親を持つ乙吉はその一人で、自分が重吉の振りをし犯行を重ねていたのだ。
泉永寺で乙吉を見つけた銀次であったが、彼は匕首で喉を一突きに自刃してしまう。

これは・・悲劇が悲劇を呼ぶ典型的な事件でしたねー・・・
事件が起こり、その時の遺族が加害者を恨んで被害者が加害者になってしまう。

でも、どうすればいいのだろう?どうすればいい? と思う。
「やられたらやりかえす」という言葉があるが、「殺されたから殺し返す」という事は"許されない行為"となっているから------復讐は憲法で認められていない、という事ですよね。
真っ当に言うなら「復讐してはいけない、相手を殺しても死んだ人は帰ってこないのだ」という所でしょう。
でもなぁ・・いざ自分がその場面に直面したらどう思うだろう。
しかも「やられたらやられっぱなしで目をつぶれ」っていうのも悔しいし・・・
あぁ・・・どうなのだろうか・・・人間だからなぁ。
でもそういった立場に実際に置かれた人が決める事かと。

当事者の人達の言葉や考えなら、それがどんな意見でも全て"正しい意見"だと思うし
当事者でもない、何も知らない第三者の意見はどんなものでも"勝手な意見"だと思うな。

結局どんな人間も、当事者になって本当に直面しなければ"本当の気持ち"なんて判らないもんだ。




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